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ランニングにおける『腕振り』の重要性

ランニングにおいて『腕振り』の重要性は、程度の差はあれ、多くのランナーが感じている点であると思います。今日は、改めて、この『腕振り』について、私なりの考え方をお伝えしていきます。

なぜ、腕振りが重要なのか。ランニングは、一定の動きを継続して行うスポーツですが、その継続性を安定化させる上で、腕振りが重要な役割を担っているからです。

その腕振りが担う重要な役割には、以下の二点があると考えます。

①走りのバランスを整える

ランニングは、両足を左右交互に前に踏み出すことを繰り返すことで、身体を進行方向に前進させるスポーツです。その動きは、身体の幅なりの平面を一定にして行うのではなく、少しだけ、左右交互に『捻り』を加えながら、生み出されています。

この左右の捻りの動きが、左右同じ大きさで行われていれば、動きは安定化するのですが、ほとんどの場合、左右の動きの大きさに少しの『ズレ』が発生してしまいます。

この『ズレ』を調整して、ランニングという身体の前進運動を継続的に安定化させる役割を担うのが、腕振りなのです。

よって、腕振り自体が、バランスの良い動きであることが大切です。

腕振りには、ランナー各自の個性が表れます。腕を振る高さ、脇の下の空き具合、直線的か円弧を描くような曲線的か、手の拳を握るのか開くのか、等々、ランナーの数だけ、いろいろな動きがありますが、どれが正解というものではなく、その腕振りによって、ランニングの動き全体のバランスが取れていれば、その腕振りは、そのランナーにとって合っていると考えます。

②接地時の地面反力を増幅させる

ランニングの動きの中で、前進運動の推進力となっているのが、左右交互に行われる接地の際に、地面から受け取る『地面反力』です。

その反力を高める役割を担っているのが、腕振りです。腕振りの中で、腕を後ろから前に振り出す際、ちょうど、接地する直前に、振り出された腕が、腰の辺りを通過するように振ると、接地時の地面に伝える力が増すことが実感できるはずです。

上記の腕振りと接地のタイミングを合わせることを『四肢同調』と呼びますが、接地時の地面反力を増幅させる役割を、腕振りが果たす為には、ただがむしゃらに振るのではなく、『四肢同調』を意識しながら、振っていくことが肝要です。

よく、『腕振りは、前と後ろ、どちらの動きを意識すれば良いですか?』と聞かれることがありますが、この四肢同調の観点から、答えは、『前』になります。後ろから前に腕を振り出すことを意識して、しっかりと接地時に力を加えられるように、タイミング良く腕を振っていくことが大切です。

以上、ランニングにおける『腕振り』の重要性を、腕振りが担っている二つの役割を通して、ご説明させて頂きました。

私は、高校の陸上部で短距離選手として活動した後、マラソンに転向したこともあり、『マラソンに適した動き』について、人一倍考えて来ました。特に、腕振りは、自分の考え方、意識の持ち方で、比較的容易に修正が可能な為、これまで、様々な動きを取り入れて来ましたし、37年間走り続けて来た今でも試行錯誤を繰り返しています。

ランナーの皆さんには、上記の腕振りの役割を意識して頂き、皆さんなりの腕振りの動きを実現して頂ければと思います。











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