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大迫傑と瀬古利彦(世界に近づいた稀代のランナー)

私の37年間のランニング人生において、自分に大きな影響を与えたランナーが、大迫傑さんと瀬古利彦さんです。

瀬古さんは、私がまだ短距離選手だった高校生の頃、全盛期を迎えていて、「将来、マラソンを一度は走ってみたい」と思うきっかけとなった選手でした。

大迫さんは、走り方や考え方、行動スタイル等、それまでの自分のランニングに対する意識に対して、大きな刺激を貰えた存在となりました。

私に大きな影響を与えたこの2人のランナーには、早稲田大学OBという他にも、幾つかの共通点があります。

大迫さんが、現役引退後、「最も影響を受けた人が、瀬古さん」と語っていましたので、多分に、大迫さんが瀬古さんを意識して選手生活を送っていたからかもしれませんが、私が考える2人の共通点を以下にご紹介したいと思います。

①地道な練習を大切にした

瀬古さんが現役のマラソン選手によくアドバイスする言葉に、「マラソンは、地べたを這いつくばるような、地道な練習を続けることが大事」という趣旨のものがありますが、大迫さんも、日々の、当たり前的な練習の積み重ねを大切にしていました。

アメリカ・オレゴンに渡り、「さぞ、レベルの高い練習をしているんだろう」と想像する陸上競技関係者は多かったと思いますが、実際には、日本でも行われている練習を、地道に、集中して、退路を断って、行っていただけでした。

ただ、2人の違うところは、その地道な練習を、『世界に近づく意識』を持ちながら、やり切っていた点にあると思っています。

やはり、『何を目指すのか』を明確にすることが、重要なのだと感じます。

②ランニングフォームが洗練されている

とにかく、2人のランニングフォームは、綺麗の一言です!私が、2人に大きな影響を受けた理由の一つが、2人のランニングフォームに一目惚れ的に惹かれたことにあります。

オーソドックスというか、無駄の無いフォームは、早い段階で、トラックでスピードを磨いた成果だと思いますが、そのフォームの効率性の高さが、マラソン後半の強さをもたらしていると考えます。

③トラック出身ランナー

マラソンに取り組むほとんどのランナーが、トラックからマラソンに転向する場合がほとんどですが、2人の場合は、1500メートルに代表される中距離種目にも力を入れていた点が共通しています。

瀬古さんは、高校時代、中距離選手として、高校チャンピオンになりましたし、大迫さんは、マラソン転向後も、積極的に1500メートルに取り組んでいました。

マラソンは、中距離種目のスピードが礎になるという考え方を、2人は共に持っていたのだと感じています。

④ポイント練習への意識が高い

これは、現役選手であれば、共通していることかもしれませんが、2人の意識の高さは、数段、他の選手よりも上を行っていたのではと、想像します。

『練習の為の練習』ではなく、常に、目標とするレースに向けたポイント練習をやり切る積み重ねが、2人のここぞという際の勝負強さに繋がっていたと考えます。

⑤とにかく、1番が好き!

2人のエピソードを聞いていると、とにかく『1番』に拘る姿勢が貫かれていたのではと感じます。

一昔前、「2番では駄目なんですか?」と発言した政府関係者がいましたが、その問いに対する2人の答えは、もちろん、ノーだと思います。

トップを目指す強烈な志向が、2人を稀代のランナーに至らしめた所以だと考えている次第です。

以上、大迫傑、瀬古利彦、2人のレジェンド・ランナーの共通点を振り返ってみました。

マラソンの高速化が更に進んでいる現時点では、日本選手が、世界に近づくことは、かなりの困難が予想されますが、この2人の稀代のランナーが残した足跡を大いに参考にすべきと、マラソンファンの1人として、切に思っています。

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