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【シリーズ・会社員を考える】大舞台で演じる醍醐味

会社員は、会社という組織に属している為、会社の利益を生み出すことを最優先にして働くことが求められます。異動、転勤、降格、自己犠牲等々、理不尽な出来事に遭遇することも、しばしばです。

しかし、会社が持つ公的な立場としての存在を通して、個人ではなかなか体験することが出来ない環境で仕事が出来るのは、会社員としての一つの醍醐味であると言えます。

私も、30年超の会社員生活の中で、前述のような、『大舞台で演じる』機会を2度、得ることが出来ました。

1度目は、半導体・液晶製造向け材料の営業職時代です。時期としては、1995年度〜2004年度の10年間。まだ、半導体・液晶業界における日本企業の競争力が、かろうじて残っていた時代であり、韓国、台湾企業の台頭が始まった頃でもありました。

そのキャリアの後半で、開発品である高機能性材料のプロジェクトマネージャーを務めていた私は、その拡販の為、世界各地を訪れました。

米国、欧州、韓国、台湾等々、業界の最先端で発展しようとしている半導体メーカーや半導体製造装置メーカーを訪れ、その時代が持っていた高揚感の中で、会社員という立場を演じることが出来ました。

2度目は、リチウムイオン電池材料の営業職時代。2008年度〜2010年度の3年間、韓国担当として、日本と韓国を行き来する日々を過ごしました。その往復回数は、合計100回程に達しました。

この頃のリチウムイオン電池メーカーとしての韓国企業は、日本企業を抜き去ろうとしている、まさに、加速期に入った時期でした。

会社として力を入れていた、言わば、花形事業の一つでしたので、韓国担当である私に掛かるプレッシャーは、相当なものが有りました。

基本的には、苦しい3年間となりましたが、お客様である韓国トップエリートの皆さんとの仕事は、自分自身を高めてくれるものでしたし、韓国という日本にとっての隣国を肌感覚で知ることが出来た、貴重な機会となりました。

以上、どちらの経験も、私個人では、到底、経験することが出来ない舞台を踏めた機会であり、会社員であることへの誇りを感じた場面でもありました。

会社員を30年超務めて来て思うことは、人間は、経験を重ねると、大舞台で仕事をする喜びよりも、失敗への『怖さ』が上回って来る気がしています。

その意味で、出来れば、若い内に、世界を感じることが出来る、より大きな舞台での仕事にチャレンジして欲しいと、会社員の先輩として、若い世代の皆さんに伝えたいと思っています。




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