見出し画像

エリウド・キプチョゲ、機能美の秘密(『力感の無い』力強さ)

先日の東京マラソン翌日の投稿において、エリウド・キプチョゲ選手の異次元の走りについて、お伝えしました。

その圧巻の走りの所以は、『力強さ』と『しなやかさ』の融合に有り、ランニングエコノミーを実現した究極のランニングフォームであると、私なりの見解を述べさせて頂きました。

しかし、実は、私がキプチョゲ選手のランニングフォームの特長の第一が『力強さ』にあると認識したのは、今回の東京マラソンでの彼の走りを長時間観察したことに拠るものです。

私が、キプチョゲ選手に注目し、その機能美とも言えるランニングフォームに憧れて、自分の走りに活かそうと取り組み始めたのは、ここ2年程のことです。

その際の私のキプチョゲ選手のランニングフォームに対するイメージは、『しなやか』『効率的』『力感が無い』『水平移動』『フラット着地』等々のキーワードで表されるものでした。

一言で言えば、『穏やか』なのに『速い』動きです。

したがって、キプチョゲ選手のイメージを持ちながら、この2年間走って来た私の走りの感覚は、「如何にスムーズに自分の身体を移動させるか」という点にありました。

結果、私がキプチョゲ選手をイメージしたランニングフォームは、いつしか、動き的に、おとなしく、躍動感に欠けるものになっていました。

しかし、今回の東京マラソンでのキプチョゲ選手の走りを見て、彼の強さの所以は、ランニングフォームの力強さにあると確信しました。

それも、その力強さは、『力感が無い』ように見える中での『力強さ』であると、強く認識することが出来ました。

以下動画を見て頂くと、その理由が良く理解頂けると思います。

ぱっと見は、前述の力感の無い、スムーズな動きが大きな特長であるように感じますが、よくよく観察すると、一歩一歩の動きが、力強い接地に結び付いていて、その接地から得た地面反力により、高い推進力を得ていることが、分かると思います。

そして、上記の動画が、マラソン終盤の41km地点での動きであることは、シンプルに驚愕してしまいます。

スムーズで力強い腕振りによってもたらされる上半身のうねりから生み出されたパワーを、余すことなく下半身に伝え、生来の身体のバネを活かしながら、地面と喧嘩することなく、鈍角に足裏全体で接地して、超効率的に地面反力を得る、そんな動きをキプチョゲ選手は、マラソンレースで一貫して継続しているのです。

上記、キプチョゲ選手の『力強さ』を認識して以降、私の中にスッと彼の走りのイメージが降りて来て、今週月曜日からの自分の走りに大きな変化が起きました。

しっかりと腕を振り、腰高をキープしながら、一歩一歩、自分が持つバネを活かして走る動きが出来るようになり、ここ数年、悩まされた来た『走りの停滞感』を打破する予感が湧いて来ています。

今後、キプチョゲ選手の『力感の無い』力強さを体現することで、走歴38年目で迎える新たなランニングワールドを体感し、楽しんでいきたいと思っています!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?