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『文豪名刺』を作ってみたよ

こんばんは。

ずっと、やろうやろうと思っていたのに、何故かやっていなかったことをやってみました。


『文豪名刺』

まあ、名前の通りです。

誰もが名前くらいは知ってるであろう文豪の名刺を、勝手に作ってしまうという、よく分からない行為です。

普通の名刺って、名前、所属(会社・学校名)、所属の詳細(クラスや課など)を書き込みますよね。
あとは、メールアドレスとか電話番号、住所、持ってる資格や修了した研修なんかも書かれていたり。

まあ色々あるとは思いますけれど、せっかく文豪の名刺を作るのだから、代表作とその作品の名言というか、名台詞というか、そういうものを抜粋してみました。


夏目漱石&芥川龍之介

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夏目先生といえば、こころ!
高校の授業でも扱われるくらいですし。

こだわりは、旧仮名にしたところですね。
新仮名だと普通に「こころ」ですが、旧仮名だと「こゝろ」なんです。

あとは、普通教科書で扱われるのは、三編のうちの最後だけなので、あえて最初からとってみました。(確か最初のはず…。)


芥川龍之介の羅生門も、高校の授業で扱われる作品になります。

彼の作品は短編が多くて、でも記憶にも残るような文章も多くて、とにかく濃度の高い作品が多い印象。

私が個人的に、いちばん記憶に残っていた文章を引っ張ってきました。

…実は、蜘蛛の糸にしようか、悩んでいたりいなかったり。


萩原朔太郎&室生犀星

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室生犀星、ミスったの!!
コピーしてからミスに気付いて、絶望しました…。(いつか作り直します。)

二人とも詩人です。
朔太郎は犀星の詩が大好きで、初対面は最悪だったものの、後に大親友になったんだとか。

犀星は、『詩よ君とお別れする』を発表して、詩とは決別し、作家として文学作品を多く残しました。(決別したはずでしたが、実際は発表後も詩を出していたんだとか。)

まあ、この二人を並べるからには、詩人として並べたいなと思って、それぞれ『愛の詩集』と『月に吠える』から、名刺を作成してみました。

これ、中途半端に読んでしまったけれど、もっとたくさん良い言葉があったかも…。
また、近いうちに、ちゃんと読みます。


宮沢賢治&梶井基次郎&中島敦

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宮沢賢治と中島敦は、教科書に載ってますよね。

宮沢賢治は、児童向けの作品をたくさん執筆しています。
独特な世界観や言い回し、固有名詞などが、子供の持つ想像力とマッチするからこそ、小学生の教科書でも取り上げられるのでしょうか?

今回引用した『貝の火』という作品は、この題名こそが、宮沢賢治のつけた独特な固有名詞です。
気になる方は是非読んでみてください。

梶井基次郎は、うーん、うーん、実はあまり知らない。
ただ、檸檬という作品は、「えぇ…!?」という気持ちになったので、代表作かなぁって。
それだけ。(おい。)

中島敦はね〜、本当は、名人伝か李陵から取ろうと思ったんですけど。
李陵はちょっと長くて、名人伝はビシッとくる言葉がなくて、結局『山月記』に落ち着きました。

高校の教科書に載ってるお話ですから、「臆病な自尊心」という言葉には、聞き覚えのある人も多いかなと。


太宰治&坂口安吾&中原中也

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無頼派!といきたいところが、織田作之助の作品を読んだことがなかったので、無頼派になりませんでした。
残念。

『無頼派』というものを簡単に説明すると、自分のスタイルは自分で作る!みたいな。
社会の流れには乗らず、自分が良しとするものを追い求めるような、同年代の作家たちのグループ名、区分の一つのようなものです。(多分)
その中心人物が、太宰治、坂口安吾と、織田作之助の三人。

中原中也は、同じ時代の人ではあるものの、「作家」ではなく「詩人」です。
無頼派たちと交流はあったものの、無頼派に含まれることはありません。

まずは太宰治の『人間失格』。
人間失格といえば、このセリフですよね!というセリフを、素直に引っ張ってきました。

というか、この名刺を作ろうと思い立ったのは、『太宰治』『人間失格』『恥の多い生涯を送ってきました。』の三要素ですから。(自白)
これ絶対、名刺にありそう!って、名刺にしたら絶対面白い!って、作ってしまいました。
ですから、いちばん初めに作った名刺は、太宰治のものになります。

次に坂口安吾。
太宰を作ったので、安吾も作らねばと。

『堕落論』と『桜の森の満開の下』しか読んだことがないので、最近読んだ後者を選びました。
ちょっと長くなりすぎてしまった感。反省です。

最後に中原中也。
中也は詩人ですから、『山羊の歌』は詩集です。
たくさんの詩が入っているなかから、『汚れつちまつた悲しみに』という詩から引用してきました。

中也の詩って、知識不足の私からすると、ちょっと読みにくくて。
というのも、宮沢賢治や金子みすゞのような作家はもちろん、先述の萩原朔太郎や室生犀星も、「読めば情景が浮かぶ」ってのが、詩としてはだいぶ一般的なのではないかなと思うんです。
短い文章ですし、リズム感や韻なんかも大切ですから、簡潔に適切な言葉を選ばないといけないというか。

それに対して中也の詞って、ググって調べないと意味が分からねぇみたいなものが多い気がするんですよね。
私だけかな(´・ω・`)

『汚れつちまつた悲しみに』も例外ではなくて、初めて読んだときはポカーンとしてしまいました。
悲しみって汚れるのか?みたいな。

山羊の歌、実は読み途中というか、気になった詩や、有名な詩しか読んでいないので、ちゃんと読みます…。


なぜ『文豪名刺』を作ったの?

さて、私の文章を紡ぎましょう。

先ほど太宰治のところで述べた通り、『文豪名刺』を思いついたきっかけは、太宰治です。
ですから、半分くらいは「太宰治で名刺を作ったら面白そうだから」なんですけど、「文学に興味を持って欲しいから」というのもあります。

名刺って、スマートであるべきだと思うんです。
自身のことを教えるツールですから、一切の無駄はなくていいんです。

逆にそれって、『名刺』や『文章』というものを、インパクトに残しやすいのではないかな?と思うのです。

例えば、太宰治なんか、すごく良い例で。

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これ一枚で、『太宰治』という人物、『人間失格』という作品、『恥の多い生涯を送って来ました。』という言葉が、繋がるわけです。

『恥の多い生涯を送って来ました。』という言葉は、『太宰治』の『人間失格』で出てきた言葉なんだ!みたいな。(人間失格が本である、太宰治は作家である、程度の前提知識は必要になりますが。)

それでもし、『恥の多い生涯を送って来ました。』という一文に興味を持ってもらえたら。
『人間失格』という作品を読んでもらえるかもしれない。
『太宰治』という人物に、興味を持ってもらえるかもしれない。

これは、『名刺』というよりスマートなものだからこそできることだと思います。

もう一つ、これは今思いついたことですけれど。

これってシュールですよね。
シンプルだけど、なんか面白い。

むしろ、シンプルだからこそ、文字しかないからこそ、そして文豪が残した文であるからこそ!!
全てが引き立つのだと思いますが。

いやー、すげー面白いものを思いついてしまったなー。

これを機に、少なくともここに一人、文学がもっと好きになった私がいます。
文学好きさんが広がりますように!

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