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「行ってきます」

こんばんは。数日ぶりですね。

土曜日から二泊三日、恋人さんが泊まりに来てくれていました。
ほんわかしていて、ゆったりとした素敵な時間を満喫しましたよ。

今日はそんな、私と恋人の日記のようなことを書いてみようと思います。


歯ブラシスタンド

恋人が来る二日くらい前だったと思います。

普通にお買い物に出かけて、ふらりと立ち寄った百均で、歯ブラシスタンドを書いました。

一人暮らしを始めた時に買ったものと同じ、一本立てる用のスタンド。

白い立方体の石に、歯ブラシを刺すための穴が空いてるというだけの、シンプルなものです。

私が買った時は108円だったものが、増税して110円。

家に帰って、二つの歯ブラシスタンドを並べてみて、にっこり。

恋人が来た日の夜、私の使っているピンクの歯ブラシの隣に、青い歯ブラシを立てました。

「なんか同棲してるみたい!」ってね。


私の世界に溶け込む

私の暮らしているお家は、当然一人暮らし用の物件ですから、だいぶ狭いです。

私の性格上、物も多いですし。

それから、私って、小さい頃から『自分の部屋』というものがある暮らしをしてきたので、自分だけになれる空間がないと落ち着けないのですけれど。

なんだか、彼は、私の部屋にずっといても大丈夫というか。
むしろ、彼が帰ってしまった今、居ない方が違和感というか。

たった二泊三日。

昼過ぎに来て昼過ぎに帰りましたから、一緒にいた時間だけ見ればまる二日くらいということになりますが、その短時間で、私の世界に溶け込んでしまったな、なんて。

一年と半年ちょっと、一人暮らしを続けてきたはずなのに、たった48時間の彼との時間が、今までずっと続いてきていて、これからもずっと続くような気がしてしまったのはどうしてでしょう。

不思議ですね。


何度だって初恋してる

彼と私は、来月の14日で、付き合い始めて3年を迎えます。

私はまだ、19年と2/3年ほどしか生きていませんから、『3年』という時間はとても大きいものです。
彼は私のひとつ下ですから、『3年』という時間はもっと大きなものになるでしょう。

もちろん、その間ずっと、今のような形が続いていたわけではありません。

去年の私は、本当にいろいろありましたからね。

彼は彼で、学校や受験で忙しかったでしょうから、私以上に余裕のないかつかつな日々を過ごしていたと思います。

私は療養という形で、彼は大学進学という形で、それぞれなりに時間ができて、お金もできて、心の余裕もできて。

そうなって初めて、お互いのことをじっくりと、真っ直ぐと、見つめてあげることができたような気がします。

連絡をよく取るようになったとか、通話をするようになったとか。
会う回数は減ったけれど、会った時に交わす言葉が増えたとか。

それはつまり、私は彼を、彼は私を、思いやる時間が増えたのだと思います。

この場合、思いやることのできる時間が増えた、の方が適切かもしれません。
心の余裕と時間の余裕があるからこそ、ですからね。

日常的に、ふと思い出すとか、気になるとか、考えてしまうとか、会いたくなるとか。

そういう、相手に対する、些細な気持ち。

そのほとんどが、言葉にならず、自然消滅してしまうようなものでしょうけれど、ふとした瞬間に何度だって思う想いですから、消滅といえどなかったことになってしまうわけではありません。

ただ、相手に対してそう思えるというだけで、十分。

もうすぐで3年も一緒にいるというのに、私も彼も初々しいんです。

飽きるとか、慣れるとか、そういうのがないのかもしれません。
飽きさせないから、慣れることもない。

お互い、『学ぶ』ということが大好きな人間ですから、常に成長し続けているのでしょう。

だから、彼にする恋は、何度だって初々しいものになってしまうのです。


純粋で美しいもの

先日、図書館で借りてきた本の一つに『文豪たちの友情』という本があります。

様々な文豪たちの友人関係がどんなものであったかが紹介されている本なのですが、その中でも一番初めに出てくる、佐藤春夫と堀口大學の友情がとても気に入っています。

佐藤春夫と言えば、太宰治や谷崎潤一郎とぶつかったエピソードが有名ですよね。

しかし、友人である堀口大學とは、一度も喧嘩をしたことがなかったそうです。

河盛好蔵という文学者が、『作家の友情』にて、このように書いています。

この二人の友情ほど純粋で美しいものは容易に見出し難い


私自身、本音を言うと、私と彼の関係って、不安定なものかと思っていました。

だって、ケンカをしたことも、落胆させられたことも、傷つけられたことも、ただの一度もないのですから。

なんだかそれって、できすぎているような気がして、逆に怖いというか、不安になるというか、勝手に疑心暗鬼になってしまっていました。

ちょっと粗が見えたら、心が離れていってしまうんじゃないか。
本当は、彼が我慢しているだけなのではないか。

今だから言えること、なのですけれどもね。(笑)

でも、話してみると、私が嫌われるんじゃないかって気にするようなことは、彼にとって『彼女の好きなところ』になっているらしくて。
逆に、彼が嫌われるんじゃないかって気にしてるところは、私にとってはむしろ『彼の好きなところ』で。

そう知ったものの、やはり、そんな美しいだけの関係なんてって思っていたところで、佐藤春夫と堀口大學のエピソードを知ったわけです。

本物の『純粋で美しいもの』ってあるんだなって、思いました。

それから、私と彼の関係も、限りなくそれに近いものなのかもしれないな、なんて、思ってみました。

3年間ずっとそう感じ続けていた、というわけではありませんが。
3年間ずっと、ケンカすることも、落胆させられることも、傷つけられることも、飽きることも、嫌気がさすこともなく、一緒にいるというのは、単に事実です。

この先ずっとそれが続くとは言い切れませんけれど、なんとなくずっと続く気がする、とは思います。

それが私にとっての、私と彼の関係で、
きっと、彼にとっての、彼と私の関係も、そうでしょう。

『純粋で美しいもの』
そんな関係を築いてくれる彼に、また初恋をしてしまいました。

私の好きは、加減を知らないようですね。


「行ってきます」

帰るときは、『お邪魔しました』じゃなくって、『行ってきます』って言って帰るんだよ?
それで、今度来るときは『ただいま』って言うの。

なんて、子どものようなことを、彼に言ってみました。

確か、昨日か一昨日の夜だったと思います。

今日、帰り際、彼はちゃんと「行ってきます」と言って、私の家を後にしました。

洗面所には、私と彼の歯ブラシが並んでいます。
枕からは、ほんのりと彼の匂いがします。

はやく「ただいま」が聞きたいですね。

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