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心配事や不安なことばかり考えてしまう、こんなの私だけ?と思ってしまう人へ|『ひみつのビクビク』|を紹介します。

絵本紹介士のkokoroです。

今日ご紹介する絵本は・・

『ひみつのビクビク』フランチェスカ・サンナ作 なかがわ ちひろ 訳 廣済堂あかつき株式会社



1・ストーリー

わたしは小さなおばけのような形のビクビクと一緒にいつもいる。
この「ビクビク」はいわば、心配心のようなもの。
でもこの「ビクビク」がいるおかげで守られていて、本当に怖い目にも会わない。
ある時、違う国に引っ越ししたことで、この「ビクビク」が大きくなった。
大きくなったことで、わたしは眠れないし、あまりものも食べられない。
そんな中、一人の子どもと出会う。その子と一緒に遊ぶようになるのだが、その子にも「ビクビク」がいることがわかる。私は他の人にもそういう存在がいるのがわかってから、自分の「ビクビク」は元通り、小さくなっていった。

とそんなお話です。

2・この絵本が伝えたいことは「ビクビク」は大切ということ。

この世の中の人間で、心配したことがない、不安に思ったことがない、という人はいないでしょう。もちろん、楽観的な性格な人、というのはいて、あまり心配したことない、という人もいるでしょうが、その人も時々は「小さいビクビク」の姿を見るでしょう。

まして、心配症な人なんて、いつもその「ビクビク」といっしょ。
私も思い切り、心配症なので、いつも「ビクビク」と一緒です。

でも、それがあるお陰で、「心配だなあ、大丈夫かな、ちょっとこれを調べておこう、このことは事前に聞いてみよう」と考えて、何か初めてのところに行く時やする時は自分が行けるのか、可能なのかをあらかじめ調べて行動します。

そのおかげで、ある程度大きなダメージを受けずにやってこれています。

昔は自分がよくわかっていなくて、絶対自分には無理、合っていないということも、やってしまったりしていました。そういう時は絶対に失敗し、そして傷つきやすい性格なので、ものすごく、ダメージが大きい。しばらく立ち上がれなくなる。次のことに挑戦できなくなる。

そんな失敗を重ねてきて、自分は気が小さく、すぐ傷ついてしまう。準備をして何か物事をした方がダメージが極力ない、そのほうが、すぐに起き上がれる、そういう自分の気質ということをわかってからは自分の「ビクビク」を大切にして、その「ビクビク」の声を必ず聞くようにしています。

なので、「ビクビク」は大切なことで必要なことというこの絵本のメッセージが身にしみました。

3・誰にでも「ビクビク」がいるということ

そして、もう一つ、この絵本が伝えていることは、大小にかかわらず、誰にでも「ビクビク」はいるんだよ、ということ。

「ビクビク」がいそうにないような人にでも小さくても必ずいる。
だから、心配、不安を持っているのは自分だけじゃない、誰でも持っている。
だから人には誰でもそういう弱いところはあるんだ、不安なところはあるんだ、ということが(自分もあるだけに)わかり、人に対して思いやりを持てるのではないでしょうか。
人の弱いところがわかる、そして自分も弱いところを持っている人は本当に人に対して優しくできる。
それはその人が自分でわかっていることだから。

この絵本は色んな人の色んな「ビクビク」が描かれています。それがとても可愛く描かれていて、「ビクビク」って可愛いんだなと思えて楽しくなってきます。

また「ビクビク」という存在が大きくなったり、小さくなったり、色んな形だったり、ということが人の数だけ「不安」や「心配」の大きさ、形が違うということを表しているようで、絵で見ることができるからこそ、誰にでも「ビクビク」はいるんだということがわかります。

4・この時代だからこそ、上手く「ビクビク」とつきあっていく

今は、誰もが経験したことのないコロナ禍にいます。これからどうなっていくのか、確実なところは誰もわかりません。わからないからこそ、未知なる「怖さ」「ビクビク」を誰しもが持っているのではないでしょうか。
しかし、怖い怖い、と言っていても仕方ない部分もあります。できるだけの予防をし、準備をし、小さな「ビクビク」と一緒に毎日を過ごしていく。それしかないように思います。
また、そういう時代になったからこそ、良い面、「ワクワク」や「ラクラク」も来てくれています。
例えば、オンライン化が進み、どこにいる人とでも話せるようになった、学べるようになった、それは良い面ではないでしょうか。
小さな「ワクワク」「ラクラク」かもしれませんが、「ビクビク」と一緒だからこそ、より、楽しく、その喜びは大きいような気がします。

「ビクビク」とうまくつきあいながら、「ワクワク」「ラクラク」が来てくれることも楽しみにしていきたいですね。

5・まとめ

いかがだったでしょうか。この絵本を読みたくなったのではないでしょうか。
絵もカラフルで「ビクビク」もとってもかわいいです。
読んでいるうちにあなたの「ビクビク」もきっと小さくなっていくに違いありません。
ぜひ、読んでみてください。おすすめです!





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