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赤ちゃん返りした子におすすめの絵本とは。わが家の場合

世のお父さんお母さんを悩ませる『赤ちゃん返り』。日々、お子さんに対応するのキツいですよね…。
わが家でも例外ではなく、長女がなりました。

赤ちゃん返りとは、ある程度成長した子どもが、弟や妹が生まれたことなどをきっかけに赤ちゃんのような態度を取ることです。 妊娠が分かってすぐに赤ちゃん返りが始まることもあれば、下の子どもが大きくなってから急に始まることもあります。 ただ勘違いしてはいけないのは、「赤ちゃん返りは悪いことではない」ということ。

Benesse教育情報より

今回は我が家の体験談をもとに、おすすめの絵本を紹介します。
リアルタイムで赤ちゃん返りに困っているママ・パパのヒントになれば幸いです。

赤ちゃん返りに“効く”とされている絵本とは

私は「赤ちゃん返り対策に」と、第二子妊娠中からリサーチしていた絵本を数冊用意していました。

大体のストーリーは、主人公に弟か妹ができて幸せなはずなんだけれど、本人はお母さんを取られたようで複雑な思いを抱えていて…といったものです。
我が家の長女は赤ちゃんのときから私にべったりだったのですが、なぜか妄信的に「絵本を読めばわかってくれるだろう」と思っていました。
もちろんそんなにうまくいくはずはありません。私がフルタイム勤務で忙しかったこともあり、妊娠中から娘は荒れていました。イヤイヤ期とも重なっていました。

用意していた“対策用”の絵本は、あまり「もういっかい!」とはなりませんでした。私の思惑は外れたわけです。

その中で、何度も読むようにせがまれた本がありました。

『おかあさんがおかあさんになった日』/長野ヒデ子 作/童心社

あなたが、うまれた日のこと……。
あかちゃんの うまれるよてい日が、とっくに すぎたのに、
なかなか うまれなかったので、
おかあさんは にゅういんすることに なったの。

本文より

出産予定日を過ぎた妊婦さんが入院し、出産した日のお話です。
お母さんがお子さんに語りかける口調で、どのような気持ちで入院中過ごしていたか、病院の中はどんな様子だったか、出産はどんな感じだったかを話しています。

それが、彼女には響いたのでしょう。
自分が両親から待ち焦がれて生まれてきた子であること」を反芻するためなのか、何十回も読まされました。私が入院していた期間は夫も毎晩リクエストされたそうです。

そもそも精神が安定していない状態では、赤ちゃんを家族として迎え入れるどころではありませんよね。私は、読む順番を間違えたようです。まずは本人の心を満たしてから、他者(新しい家族)との関係性を描いた本を読んであげた方が良かったのかもしれません。

こちらは赤ちゃん向けですが、後々読んで当時の娘に読んであげたかった、と思った本です。

『おかあさんだ』/まついのりこ 作/偕成社

えーん えーん
おかあさんだ

本文より

セリフは上記の繰り返しです。
いかなるときも、子どもが涙した時は「お母さん」という絶対的な存在がいてくれる安心感。とてもシンプルな絵本ですが、初めて読んだときにグッときました。
無条件に上の子の存在を肯定することが、赤ちゃん返りしないためには大切だと思いました。

『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』/フィリス・ゲイシャイトー ミム・グリーン 作
デイヴィッド・ウォーカー 絵/福本友美子 訳

あさごはん たべて、おちゃ のんで……
おつぎは なあに?
だいすき ぎゅっ ぎゅっ!

本文より

ひたすらスキンシップ。ストレートに子どもへの愛情を伝える絵本です。忙しい毎日ですが、子どもとのハグを忘れないようにしたいと思いました。

『ねえだっこして』 /竹下文子 作  田中清代 絵/金の星社

赤ちゃんが家にやってきて、それまで可愛がられていた猫が切ない気持ちを抱くお話。猫の心情が吐露されていますが、お兄ちゃんお姉ちゃんの声を代弁しているとも言われています。
ついつい赤ちゃんに構わざるをえないお母さんが読んでも良いかも。


そのうち、どこまで彼女の心に寄り添えたかは分かりませんが、私と娘が赤ちゃんとの生活に慣れてくると、下記のような絵本も一緒に楽しむことができました。

『あなたってほんとにしあわせね!』/キャスリーン・アンホールト 作 星川 菜津子 訳/童話館出版

はじめはね、ひとりだけのわたしだったの。
おかあさんと おとうさんと わたしだけ。
そのころ、わたしには おとうとは いなかったわ。
そういうこと かんがえたことも なかった。

本文より

幼い子にはピンとこないかもしれません。身の回りのことがある程度自分でできるお子さんに。赤ちゃんのお世話ができる(もしくは、おうちの人のお手伝いができる)ということは、本人の自己肯定感や自己効力感を上げることに繋がりそうです。


『ちょっとだけ』/瀧村 有子 作 鈴木 永子 絵/福音館書店

なっちゃんの おうちに あかちゃんが やってきました。
なっちゃんは おねえちゃんになりました。

本文より

名作と言われていたので購入し、長女のために良かれと思って読んでいました。しかし、いい本だとは分かっていても私は当時余裕が無く、つねにピリピリしていて共感できていなかったように思います。

不思議なことに、子どもたちが小学生になった今読むと、主人公である幼いなっちゃんの健気な行動に胸を衝かれます。今になって涙が出そうになるなんてどういうことよと思いますが、置かれた状況が違うと本に対する感じ方も変化するのですね…。さすが名作です。

番外編 『りんごかもしれない』/ヨシタケシンスケ 作/ブロンズ新社

当時イヤイヤ期でキレ散らかすことが多かった娘が、ご機嫌でいられた絵本。大ベストセラーです。何十回も読まされました。ヨシタケさんの特徴である、一つの物事を多方面から観ようとする視点がユニークです!娘はエンタメ的に楽しんでいたと思います。

終わりに

ただえさえ忙しい日常に長子の赤ちゃん返りがプラスされると、精神的に削られますよね…。つらい中でも、日々お子さんにできる限り寄り添っておられることとお察しいたします。お疲れ様です。

ただ、赤ちゃん返りはいつか必ず終わりが来ます。適度にサボりつつ、育児していきましょう。心から応援しております!

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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