【絵本沼ゼミ】2022年3月25日創刊号:『ぼく』(岩崎書店)絵本評
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今回は本年2月12日のETV特集で制作過程が放映され、その後ネットで賛否両論となりました『ぼく』(谷川俊太郎/合田里美/2022年/岩崎書店)の絵本評です。
本書のテーマは「自死」。
岩崎書店HPやNHKサイトでも「自殺」という言葉は使わず「自死」と表現されています。
『デジタル大辞泉』(小学館)で「自死」を調べますと、
〔名詞〕自殺。意志的な死を非道徳的・反社会的行為と責めないでという語。
とありました。
意味は「自殺」と同じで、表現を抑えたものが「自死」という言葉になります。
本稿では逆に「自殺」を使うことにします。
この「自殺」というセンシティブなテーマを絵本で取り上げるのは、挑戦的で過激なことだと、作り手も編み手も出版社もわかっていたはずです。
そんな中、どういう形でどういうメッセージを、絵本のメイン読者である児童に伝えるのか?
ここが本書を読む上での焦点になります。
長文ですがお付き合いいただければ幸いです。
※参考リンク
・ETV特集「ぼくは しんだ じぶんで しんだ 谷川俊太郎と死の絵本」(NHK)
・『ぼく』(岩崎書店)
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