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田植えの季節に
毎年この時期になると、農家の方のご苦労を思う一方で、田んぼの美しさに見惚れてしまう。水面がキラキラ光って見えるのはほんのひとときで、あっという間にそこに田んぼがあったことすら忘れるほどに成長が早いことも、当地に住むまで私は知らなかった。今ここにある田んぼも、数十年先、どれだけ残っていることだろう。もしかしたら一家総出の大仕事とか腰が痛くなるつらさなんて、次世代に伝えることはもう叶わないのかもしれない。だからこそ、読み継いでいきたい絵本がこちら🔽
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(PHP研究所、2007年)
おむすびさんが田植えをするという発想もさることながら、このほのぼのとした雰囲気からの展開が見事で全てを持っていかれる感じ。かがくいさんはなんといっても赤ちゃん絵本のだるまさんシリーズが圧巻なのだけれども、田植え絵本もぜひ!
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ついでながらもう1冊おすすめを。
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これは穴にハマって困っているのをどう助けるかというお話。読んでもらった子どもたちがきゃっきゃ言って喜ぶ姿が目に浮かぶよう。作者の発想の柔軟さに唸るばかりだ。
折しも かがくいひろしの世界展が始まっており、月刊MOEもかがくいさん特集。
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だるまさんシリーズの制作秘話に加えて、かがくいひろしさんの生い立ちも丁寧に描かれている。中でも心に刺さったのがこちら、特別支援教諭を目指すに至った大学時代の寮のベッドサイドに貼られていたという自筆メモ。
「効果があればやる、効果がなければやらないという考え方は合理主義といえるでしょうが、これを人間の生き方にあてはめるのはまちがいです。この子どもたちは、ここでの毎日毎日が人生なのです。その人生をこの子どもたちなりに喜びをもって、充実して生きていくことが大切なのです。わたしたちの努力の目標もそこにあります。」
ドイツ、ビールフェルトのベテル施設
修道女
この「ベテル施設はドイツ北西部にある福祉共同体で、第二次世界大戦中ナチスの障がい者に対する強制的な『安楽死』政策から、障がい者を守ったことでも知られて」いるそうだ。(同ページより引用) 社会がどんどん合理主義に向かい弱者切り捨てに拍車がかかる昨今、改めてかがくいさんの作品群に学びたいと思う。