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またね と 手をふってから 百年目の秋 やっと きみに会えた せっかく会えたのに もうお別れ…
いちばん秋が好きだ。秋のなかにいるとこれが永遠という気がするのに気がつくと去っている。 とはいえ秋はバランスを崩しやすくて、そのたびに寝込んだり薬のお世話になったりしていた。じょうずに思い出せない年もある。 私がとくに弱っていたとき、ろくに本も読めなかった。ふだん暇さえあれば本を読んでいたけれど、当時はほとんどの本を体が受けつけなくなっていた。 胃腸の弱っているとき、どんなに美味しくても脂ののったお肉とかは食べられないのに似ていて、あのころ私はだし汁の上澄みみたいな、やさし