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「わーい寝ぐせだ」とウキウキ学校へ行くポジティブ思考【デンジャラス前向きくん】

朝、息子の頭には、寝ぐせがつく。
一本角のようなものから、悪魔くんみたいな2本、今日は博士のようになって、なかなかエキセントリックだった。

毎回「すごい寝ぐせだね」と言うと
鏡を見に行って「うわー、いいね」と嬉しそうである。
どうも友達に寝ぐせを見せて「すごいね」と言われたいようで、おもしろいからそのままにしてくれという。
学校から帰るころには、しなっと戻ってしまうのだけれど。

ふうん、私の感覚では、寝ぐせなんてかっこ悪いし恥ずかしい、直さなくちゃとしか思わなかったのだけれど、
これを「おもしろい」と思う感覚もあるのね。
じゃあ、変な寝ぐせがそのままキープできるよう、ワックスで固めてあげようか?と提案してみる。
芸人のはなわさんのように、玉ねぎ頭でキープとか。
中学でやったら怒られそうだから、いまのうちに楽しんでおいて、先生に言われたら、お母さんがこれこれこういうわけでって話してあげるよ。

「固めたらダメだよ。この自然にできるって感じがいいんじゃないか」

ああ、そのあたりは、こだわりなんですね。

ヨシタケシンスケさんの『ねぐせのしくみ』みたいだね、と言ったら
「なにそれ?ヨシタケさんの本があるの?見てみたい」とな。
子どもの感覚っておもしろい。

将棋の羽生さんも、昔は寝ぐせがついたまま表に出ることが多くて
それが本当に性格を表していて、けっこう寝ぐせ自体を皆に愛されていたように思う。
手ごわいクセも「おもしろいでしょ?」と言える感覚を持てるのは、いいのかもしれない。

さて、それでもぼさぼさと伸びてきて、
髪が目の前で邪魔になってきた息子くん。
「はい、もういいかげん床屋に行きますよ」と言うと
「いやだー、寝ぐせがつかなくなっちゃうじゃないか!」とな。
床屋で「前髪を…眉につくかつかないかぐらいに…」とボソボソ言っているので、「全体的に、さっぱり短めにしちゃってください!」と母ばっさり。恨めしそうに、母を見る小5男子。

大丈夫、君は髪の毛が多いので、
一週間後にはのびてくるから!と思っていたら、
3日後には寝ぐせがついた。
そしてやっぱり息子は、嬉しそうなのだった。


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