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効果を求めると面白い絵本に出会えない

Instagramなどでちょいちょい見かけ、勝手にショックを受けている件があります。

とある絵本を読むと、「●●がやめられた!」というネタが横行している件です・・。


絵本、1冊、たった数分で読み終わるかもしれません。でも作家さんは1年以上時間をかけて・・・、もしかしたら2年、3年かけてやっと完成した作品かもしれません。

子どもを不用意に怖がらせようとする作家さんは普通いません。(仮にいたとしたら、出版社ではねられるはずです。)

作家さんたちは、どんな若手でもどんな大御所でも、「こどもに喜んでもらいたい、楽しんでもらいたい、訴えかけたい」という強い信念で作品つくりに取り組んでいます。


もし、目に見えて効果がある(声を出して笑えるとかそういうのも含みます)というのを絵本を選ぶ時の優先順位にしてしまったら、きっと名作たちに出会えません。

多くの名作は、静かに心に響くものです。なんだそれ?と思った方は、20世紀最高絵本を手に取ってみるとよいかと思います。

センダックの絵本のすごさは、大人も魅了させてしまうような、想像を超える世界観です。センダックの絵本を読めば、絵本は必ずしも子どもだけのものではないということがご理解いただけると思います。


どうか、絵本が便利な道具として利用されませんように。


便利・時短が優先されがちな風潮がありますが、せめて絵本を読むときは、そういった概念から解放されるべきだと思います。

子どもが本当に求めているものは、便利や時短ではなく、心に残る面白さだと思います。(ここでいう面白さは、ゲラゲラ笑える面白さではなく、読後にそっと心に残る感情だと思います。)

絵本講師として社会に学びを還元していきたいと思います。