#60 行政書士試験に合格するために(記述式(過去問)・民法【総則】編②)
今回も、行政書士試験の民法(総則)の
記述式(過去問)について書いてみたいと思います。
知っていることが前提
令和2年度試験では、「第三者による詐欺」が
出題されました。
民法96条2項を使い、問題文に合わせて、具体的に
書くことで対応する問題でした。
この問題では、第三者Cさんに騙されたAさんが、
AB間の契約をした際には、騙されたことを知らず、
1年後に騙されたことを知った、という所が
少し引っかかるところです。
普段、肢別を漫然と繰り返していると、
「詐欺をされてからの期間」について、
考えることはありません。
そのため、民法125条と126条を
押さえておく必要があります。
追認した事実も、法定追認をした事実も
問題文には書かれておらず、追認をすることが
できる時から5年間の経過もしていないため、
96条2項の条件を満たせば、AB間の契約を
取り消すことができる、
と判断しなければなりません。
令和2年の記述の解答で、125条、126条に
ついては、字数制限もあり、書く必要までは
なかったようです。
この条文がそのまま問われたのは、
一番最近のもので、平成23年になります。
直近で問われていないからと言っても、
重要な条文もあるということは、
意識しておいた方がいいと思います。
まとめ
意思表示の心裡留保、虚偽表示、錯誤、
詐欺や強迫の所では、登記が必要・不要、
善意・悪意、過失・重過失・無過失、
第三者に当たる、第三者に当たらない、
これらを一つずつ整理して、
暗記していることが重要です。
令和2年度試験で言うと、問題文を読んだ
瞬間に、「これは第三者の詐欺だな」と
思えるかどうか。
また、「契約の相手方Bさんが悪意有過失で
あれば取り消すことができるな」と
思えるかどうかです。
試験まで数カ月の猶予がある今の段階で
あれば、瞬時に出てこなかったとしても、
時間が少々かかっても1つずつ順序立てて
思い出すことができれば十分だと思います。
もし仮に、時間をかけたにも関わらず、
思い出せなかったとしても、
「即答できる状態」というのは、試験本番の
3時間のみで良いので、今はまだ
焦ってはいけないと思います。
何度も暗記し直すというのは、なかなか
しんどいものですが、自分を追い詰めすぎず、
かといって甘やかしすぎず、繰り返すことで
合格に少しずつ近づいていくと思います。
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