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#01 行政書士開業前に読むべき本

実務直結シリーズ

「行政書士合格者のための開業準備実践講座」竹内豊(税務経理協会)を読みました。


この本は、実務直結シリーズとして、
遺言・相続編、銀行の相続編、産廃業編、
建設業編、新しい家族法務編とある中で
出版されているものの一つです。

本屋さんに行けば、行政書士試験に
合格するための本は、大手予備校から
数多く出ているのですが、行政書士試験に
「合格した後」の本を
売場で見かけることは、ほとんどありません。

考えてみれば当然なのですが、
行政書士受験生は毎年4万人以上いるので、
その方をターゲットに出来ますが、
行政書士の新規登録者数は2687人
(令和3年度中の新規登録者数・総務省)
ですが、行政書士試験に合格した者のみに
限ると1863人です
(税理士資格を有する者が361人、
元・公務員が417人など)。

行政書士となるには、行政書士試験に合格するなど、一定の資格を得た上で、各都道府県の行政書士会を経由して、日本行政書士会連合会の登録を受けることが必要です。

◆ 行政書士となる資格を有する者(行政書士法第2条)
(1) 行政書士試験に合格した者
(2) 弁護士となる資格を有する者
(3) 弁理士となる資格を有する者
(4) 公認会計士となる資格を有する者
(5) 税理士となる資格を有する者
(6) 国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上(学校教育法による高等学校を卒業した者などにあっては17年以上)になる者

新規登録者プラス2年目、3年目の
若い行政書士をターゲットに含めたとしても、
市場規模は行政書士受験生の
5分の1~10分の1程度のため、
実店舗に取り揃えがなくても仕方がありません。

そんな中でも、新規登録者としては
Amazonや楽天で実務書を探すしか
ないのですが、圧倒的に売れ続けている、
というものが少し探しただけでは
分からないので、
とりあえず…という形で購入しました。


目次

第1部 成功するために「失敗」を知る。
第2部 失敗の「9つの要因」が業務に及ぼす影響
第3部「失敗しない体制」を確立する
第4部「実務脳」を習得する
第5部 開業前に抑えたい「集客」
   「業務スキル」「トラブル防止の心得」
   「トラブル対策」のこと
第6部 開業で失敗しないための「骨法10ヵ条」
第7部 資料編

まず、第1部~第3部において、
「失敗」について書かれているのですが、
「失敗」しないために、どうすべきなのかについて、『行政書士法 コンメンタール(兼子仁著)』が紹介されています。

SNSなどで噂だけは聞いていた、
『コンメンタール』。

やはりお勧めのようなのですが、
ネットでも中古で手に入るかどうかのようです。

在庫を見つければ、
すぐにでも注文してみようと思っています。


先輩行政書士


「専門知識を補完する」の項目では、

「3つ専門分野を持てば食えるよ」

と仰っている先輩行政書士の先生が
登場するのですが、この言葉には、
とても勇気をもらいました。

新人行政書士の多くは、「専門分野ゼロ」
という方も珍しくないと思うのですが、
私の場合、司法書士補助者時代に相続、
設立業務(法人定款作成、公証人役場での
定款認証など)を約4年ほど実務として
やってきましたので、あと一つ専門分野を
増やすことが出来れば大丈夫、
と思うことが出来ました。


第4部

実務の基本ロードマップとして
「7つのプロセス」が示されています。

事前の準備や心構え、あった方が便利なもの
などが具体的に細かく書かれています。


第5部

「4つの鉄則」「1つの禁じ手」
「7つのスキル」「8つの心得」が示されています。

行政書士として実際に業務をされている
著者ならではの視点、考え方が書かれていて、
取り入れなければならないことがいくつもありました。


第6部

「骨法10ヵ条」として格言を示されています。

骨法その2 「成功の法則」はないが
      「失敗の法則」はある
骨法その4  己の力量を知る
骨法その10 スピードを重視する

10ヵ条のなかでも上記の3つが私の好きな骨法でした。

いわゆる「成功」はしたいと思っていますが、やはり法則はないのだなと。

己の力量は、向上心を持たないと事業が
持続しないので、それだけは常に持っていようと。

正確さを重視するのは最低限のことなのだと認識し、スピード感をもって行動しなければ、と考えさせられました。


第7部

第7部は主に資料です。
「見積書」「引き合いメモ」「面談メモ」
「公正証書遺言のロードマップ」
「相続手続きのロードマップ」
「各種の委任状」などが掲載されています。


まとめ

今回は、行政書士合格者用の開業本を紹介しました。

いくつか行政書士の実務書を読みましたが、
この本が最も基本的なことを満遍なく書いているのではないかと思いました。

私は中古で第2版を購入しましたが、令和6年2月には最新の第4版が出版されるようです。

日々、新しくなる情報をすばやくキャッチできるように、引き続き精進しようと思います。

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