ものづくりの興味は鉄だけに留まらない 鍛冶職人・J
こんにちは!note更新担当のたぬ子です。
今回は、内子町に工房「自在鋼房」をかまえらえている鍛冶職人・Jさんに、鍛冶職人を目指されたきっかけや、ご自身の作品についてお伺いしました。
「鍛冶屋です」って名乗っていいんですかね
― 鍛冶職人を目指されたきっかけを教えてください。
家が鍛冶屋だったので、なんとなく始めたんですよね。
それで、他の方がどんなことをされているのか気になって、何回か会いに行ったんですけど、みんな鉄が好きで、鍛冶職人になりたくて始めているから、すごい情熱をもっているんですよ。もう、僕と全然違っていて。だから堂々と「鍛冶職人です」と言っていいのか、悩んでいるんですよね。
ものづくりは好きだから作りたい気持ちはあるんですけど、結局作ったあとにどうしたいのか、自分がどうなりたいのかが分かっていないんですよ。「お金を稼ぎたい」とか「称賛を浴びたい」とか、目的があればいいんですけどどれもしっくりこないんですよね。
自然に手を加えるとおもしろくなる
― どのような作品を作られるのですか。
何か”少し変わった部分があるものづくり”が好きですね。
分かりやすく言うと、自然って綺麗じゃないですか。それは、純粋だから自然は綺麗なんだと思っていて。その自然に人の手が加わると、純粋さが減ってしまう代わりに、おもしろくなると思ってるんですよ。
他の職人さんとコラボした作品だと、鉄とガラスや磁器など異素材を合わせたものを作りましたね。
― 作品制作中に、大切にしていることはありますか。
自分が「いいな」と思う気持ちに従って作ることは、大事かなとは思いますし、僕の作った商品を「素晴らしい」と思って選んでいただけると嬉しいですね。
実際には、自分の好きな仕事だけでは暮らしていくのが難しくて、日々自分の作品づくりの方向性を模索しています。
― 植物のオブジェを制作される時は、実物や写真を見てデザインを考えられるのですか。
デザイン画は描かないですね。頭の中に浮かんだものをそのまま作っています。
― 鉄で作られた作品は、やり直しできるのですか。
多少ならできます。
植物の作品で、葉っぱ1枚が「気に入らないな」と思ったら、取って新しく付け直すことはできますけど、複雑に絡んだ枝を解くのは大変ですね。
親父とは、根本的な考え方が違いますね
― お父様も鍛冶職人として活動されていますが、お父様の作品とご自身の作品に共通点はありますか。
共通点はないですね。全然似ていないと思います。性格も親父は淡々と仕事をするタイプで、僕は淡々とするのが苦手で似てないですし、仕事に対する考えも違っていますね。
喧嘩をすることも無いし、あれこれ言われることも無いんですけど、親父は僕より商売っ気がないんですよ。お金のこと割と考えてないというか。40~50年仕事をやっているのに、技術に合わない金額で仕事を受けたりするんですよ。僕は、それが嫌なんですよね。家族も養わないといけないですし、技術に合った金額があると思っているので、そこはあえて線を引いてますね。
この町に恩返しをしたい
― 今後愛媛でやりたいことを教えてください。
生まれ育った地域ですし、すごく住みやすい町だと思いますし、この町でずっと生きていきたいと思っているので、この町に恩返しができるような仕事をしていきたいですね。
絵しりとり チワワ ⇒ わ○○
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