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漆芸との出会いは突然に 坂本征志

こんにちは!note更新担当のたぬ子です。

今回は、宇和島市出身で漆作家として活躍されている坂本征志さかもとせいじさんに、漆作家を目指されたきっかけなどお伺いしました。

[プロフィール]
■氏名
 坂本 征志さかもと せいじ 
■ジャンル
 芸術(漆芸)
■連絡先
 Mail:ngiculela62@yahoo.co.jp
■経歴
 愛媛県宇和島市出身。就職をしていましたが、24才で会社を辞めて、美術学校へ2年間行きました。
 その後、香川県漆芸研究所に入所し、3年間の課程を終えて、漆芸家の北岡省三氏に師事しました。
 現在は、日常使いの器やオブジェなどを作成しています。

・第24回 日本伝統漆芸展 入選(以降5回入選)2007年
・第55回 日本伝統工芸展 入選(以降3回入選)2008年
・第51回 伝統工芸四国展 入選
・瀬戸内国際芸術祭 漆の家プロジェクト参加 2010年
・磯井正美賞展「あすなろ賞」受賞 2011年
・個展 2014年、2016~2022年)
・アートフェア東京2021出展
・グループ展 他

 「香川の三技法」を用いた作品づくり

写真提供:坂本征志

ー 普段どのような作品を制作されていますか。

 香川県の漆芸には、「香川の三技法」と呼ばれる蒟醤きんま存清ぞんせい彫漆ちょうしつという3種類の技法があり、僕は主に彫漆を用いた作品づくりをしています。

 公募展用に彫漆箱や彫漆香炉を作っていますが、そういう作品だけではみなさんに漆芸を知っていただく機会が少ないので、手に取っていただきやすいコップやお皿などの日常で使えるものを作っています。

行きついたところに漆芸があった

写真提供:坂本征志

ー 漆作家を目指されたきっかけを教えてください。

 きっかけというきっかけは無く、人生の流れで行きついたところが漆芸でした。
 元々絵画の学校へ通っていたんですけれども、そこを辞めることになってしまって。その時に相談をした先生が、香川県出身で漆芸をされていた方で「漆の研究所が香川県にあるから行ってみてはどうか」と勧めてくださいました。
 それまでは油絵をやっていたので、漆のことを何も分からないまま香川に行って、漆芸研究所の見学をした時に「絵のような平面より、こういう立体の方がおもしろいぞ!」と声をかけてくださった方がいて、やってみようかとなりました。
 見学の時に声をかけてくれた方が、後々自分の師匠になりました。

「漆も塗料の一種」という考え

写真提供:坂本征志

ー 彫漆などの模様は、ご自身で考えられるのですか。

 そうですね。模様や柄の配置なども漆芸研究所で学ぶことができます。

ー 漆芸には格式高いイメージがあるので、模様に決まりがあると思っていました。

  特に決まりはないです。オリジナルの模様を作る作家もいますし、伝統的な模様を使う作家もいます。それぞれが好きなように作っていますよ。

ー 模様は、日頃から考えられているのですか。

 参考になるような本を読んだり、散歩中に素敵な風景があれば作品に反映させたりしています。
 今ちょうど、散歩中に公園から見た冬の空を参考に作品を作っているんです。

ー 普段見ている景色も作品に活かされるんですね。

 自分の体験したことや好きなことの方が、制作する時に気持ちを込めやすいんですよ。
 僕は美術の世界に絵画から入ったので、漆も一種の塗料だという考えで漆芸をしています。だから、他の漆芸家とは作品に対する考え方が違うのかもしれません。でも、結局色を塗っているだけですからね。

 ただ「香川の三技法」は、塗り重ねをした後に彫りをするんですよね。刃物を使って絵や模様を彫る、そこがすごくおもしろいところだなと思います。

ー 今まで制作された中で、一番大きなものはどのぐらいのサイズの作品になりますか。

 1人で制作したのは、1mぐらいの大きな昔の丸い座卓ですね。「絵を描いてほしい」とのことで、座卓全面に描かせてもらいました。
 何人かでとなると、2010年に参加した瀬戸内国際芸術祭の『漆の家プロジェクト』ですね。一軒家の床、壁、天井を漆で装飾しました。

愛媛での展示会を再び

写真提供:坂本征志

― 今後、愛媛でやっていきたいことを教えてください。

 以前、愛媛で展示会をさせてもらったことがあるんです。
 だから、また愛媛で僕の作品を手にとっていただける機会をつくりたいと思っています。

絵しりとり 教科書きょうかしょ ⇒ ヨ○○

今回は、オンラインでインタビューを行ったため、イラストをメールで送っていただきました。


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