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君の名は、なんだっけ? 改名に次ぐ改名でようやく決まった愛犬の名前 #いい部屋ペット

愛犬に名前をつけるときのワクワクした気持ち、覚えていますか? 筆者はもちろん覚えています。初代の愛犬を迎えたときは迷いに迷って日替わりで改名していたことも……。

「君の名は」と問う私に「僕の名は」と問う犬。きっと早く決めてほしいと思っていたことでしょう。今回は我が家の名づけの顛末や犬が聞き取りやすい名前についてお伝えします。

日本犬には戦国武将の名前が似合う

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筆者が「番犬になる頼もしい犬を迎えよう」と思い立って選んだのが甲斐犬。ワイルドな細マッチョの風貌に、主人に忠義を尽くす一代一主の犬です。自分が忠義を捧げられる主人に値するかどうかを考えていませんでしたが、甲斐犬専門犬舎に見学に行って初代の愛犬を迎えたのでした。

さて、名前をどうしよう? ひとまず「チビ(仮)」と呼びながら犬に合う名前を熟慮。甲斐犬は毛色にちなんだ「虎」や、野性味のある風貌に合う「狼」の字を使うことが多いので、筆者も漢字の名前をつけることにしました。

武士のような忠犬への憧れが限界突破していたこともあり、「強く賢く勇敢で忠義を尽くす犬になれ!」と、我ながら無茶な願いも託して「景虎(かげとら)」と命名しました。戦国時代の武将、上杉謙信の元服名です。

ウンチを食べる子犬をかっこいい名前で呼べない

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武田信玄が治めた甲斐国(現在の山梨県)の犬に、ライバルの上杉謙信ゆかりの名前。途方もないネーミングセンスですが、当時の筆者は大満足。景虎が自分のウンチをもぐもぐ食べる姿を見るまでは……。

犬が食糞をするのは珍しくないのですが、さすがに上杉謙信に申し訳ない気持ちになり、2日足らずで改名することにしました。ウンチを食べる子犬と片づける筆者で攻防戦を繰り広げながら、やはり忠犬の願いを捨てきれず、次は大河ドラマでもおなじみの真田幸村からとった「幸村(ゆきむら)」と命名。

しかし、名前を変えてもウンチを食べることは変わりません。恐れ多くて数時間で改名を決意。当時の自分は何を考えていたのか。武将とは関係ない名前に変えようと思いました。

おもしろい犬に育ってほしくて「北斗の拳」から命名

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出しては食べる自給自足状態の子犬を見ておもしろい犬に育ちそうだと思い、「北斗の拳」の登場人物の名前をつけることにしました。最初は「我が生涯に一片の悔いなし」の名言で人気の「ラオウ」に決定。好きな漫画のキャラクターの名前を堂々と呼べるなんて最高です。

ところが友人に「ラーメン?」と聞かれて、某カップラーメンの存在を思い出しました。「北斗の拳」ファン以外にとって「ラオウ」はラーメンの印象しかないかもしれません。またもや断念。子犬を迎えてからすでに1週間ほど経っています。

チビ(仮)から進まない名づけに終止符を打とうと思い、少なくとも食品名にはなっていない人気キャラクターの「ジュウザ」にしました。

あだ名が増えても、犬にとって本名は特別

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君の名は、ジュウザ! 子犬も新しい名前にすぐなじんだようです。社会化トレーニング(社会の物事に慣れる練習)の一環でいろいろな人に会っていたら、いろいろなあだ名をつけられました。ジューくん、ジュウジュ、ギョウザ……と増えていくのはうれしいもの。成長と共にウンチを食べなくなりましたが、景虎に戻す気にはなれません。

数年経って我が家では「じゅうぽん」というあだ名が定着しましたが、「ジュウザ」と呼ぶとシャキッとしたような気がします。本名を理解していたのでしょうか? ジュウザとしつけ教室に行ってトレーニングをするときには、名前でオンとオフを切りかえられるので便利でした。犬にとっても名前は大切なんですね。

2代目の子犬の名前は「北斗の拳 イチゴ味」

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ジュウザの次に迎えた2代目の愛犬も甲斐犬です。じつは家に来た時からトイレトレーニングが完璧で、食糞もまったくしませんでした。ただし、ウンチングスタイルはおかしいのですが……。最初にこの子犬が我が家に来ていたら景虎と命名され、筆者の無茶な期待を背負うことになっていたかもしれません。

忠犬には憧れますが、ジュウザと過ごした日々と同じようにおもしろおかしく暮らしたい。そんな願いを込めて、完全なギャグ漫画「北斗の拳 イチゴ味」の人気キャラクター「サウザー」の名前をつけました。

サウザー、サーくん、さぁちゃん……とさっそく友人たちが呼んでくれたおかげで、子犬はすぐ自分の名前を覚えました。別のキャラクターの名前と迷っていたけれどサウザーに決定です。

血統書の犬名は日本犬らしい漢字だけど…

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純血種の犬には血統書があり、本名とは別に登録された犬名が表記されています。日本犬や甲斐犬は漢字の犬名が大半です。犬種や犬舎によって名づけの特徴があるので、機会があれば見比べてみるとおもしろいと思います。

たとえばジュウザの血統書の犬名は「上州の錦(じょうしゅうのにしき)号」。名づけた甲斐犬専門犬舎の方によると、「上州(群馬県)に錦を飾れ」という意味を込めたそうです。育てたのが筆者なので錦を飾れたかどうかはともかく、自慢の愛犬です。

2代目のサウザーは埼玉県の甲斐犬専門犬舎から迎えました。血統書の犬名を自由につけていいと言われてびっくり! 毛色から夜明けをイメージした名前をつけようと思いましたが、曙は横綱と枕草子のイメージが強い気がします。本当は夜明け前ですが、「彩の暁(さいのあかつき)号」で登録しました。本名がサウザーとは思えない風流な犬名です。

犬の名づけは聞き取りやすい響きも大切!

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名前は犬が聞き取りやすいことも大切です。たとえば母音ならはっきりした響きの「あ」「い」「え」が聞き取りやすく、くぐもった響きの「う」「お」は聞き分けにくいとされています。

筆者の愛犬の名前を振り返ってみると、初代のジュウザのことは最後の「あ」を伸ばすような呼び方をしていました。大げさに書くと「じゅうざあ」です。じつはギョウザと呼ばれても反応していたのでひそかにアホかわいいと思っていたのですが、最後の「ざ」を伸ばした「あ」の響きがあったからかもしれません。

2代目のサウザーはふだん「サーちゃん」と呼んでいるので、大げさに書くと「さあちゃん」になります。子音は聞き取りにくいとされていますが、あだ名や呼び方によっても変わりそうです。

名前の呼び方と工夫でもっと楽しくなる

犬の名前には個性があるのに、しつけやトレーニングの指示は決まっていますよね。筆者は愛犬の名前を呼ぶたびに楽しい気分になりましたが、オスワリ、フセ、マテなどの指示は……普通です。やるならトレーニングも楽しみたい。愛犬の名前と同じように、指示も「北斗の拳」にちなんで考えてみました。

排泄の指示は一般的に「ワンツー」が使われますが、我が家は「あべし」と「ひでぶ」に変更。声に出すだけで楽しいので、10年以上あきることなく言い続けています。ついでに「我が生涯に一片の悔いなし」の名言で右足を上げたり奥義を出したりする技も教えました。

思わず言いたくなる単語を指示にするのは我ながらアイデア。三日坊主の筆者にはよく効きました。呼びたくなる名前に、言いたくなる指示。愛犬との暮らしを豊かにするのは、こんなちょっとした工夫なのかもしれません。

プロフィール
金子志緒/ライター・編集者
レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:https://www.shimashimaoffice.work

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