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外猫の撮影をきっかけに保護活動。「猫には家で暮らしてほしい」プンクマさんインタビュー #いい部屋ペット

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プンクマさんが保護し、現在ともに暮らす青彩(あおい)ちゃん(推定6才)

17才の“おばあにゃん”「なつき」ちゃんと、鮮やかなブルーの虹彩が映える白猫「青彩」ちゃん。2匹の猫と暮らす男性・プンクマさんは、フルタイムで会社員として働きながら、猫の保護活動も行っている。そのきっかけとなったのは、趣味で始めたノラ猫たちの撮影だった。

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なつきちゃん(17才)。名前の通り、懐っこい

もともとは、主に風景を撮影していた写真好き。なつきちゃんを愛猫として迎えた頃から、外に生きる猫も被写体に撮るようになった。最初はコンデジ、それから一眼へ。全国の有名な猫スポットを巡って撮るようにもなり、猫の写真集を上梓した経験もある。全国規模の猫の企画展では、写真パネルの展示も行ってきた。

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「でも、外の猫を撮り続けていると、だんだん健康状態が悪い子に目が行くようになりました。ケガをした猫、ボロボロの姿の猫。撮影先の地元の方からは、『猫は1〜2年で死んでしまう』『餌をあげて、片付けないで帰ってしまう人がいる』というお話もありました」

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数年前に撮影で訪れたとあるスポットには、十数匹以上もの猫がいた。やがてよそから流れてきた猫や、新たに捨てられた猫などで数は増え続け、一時は30匹を超えるように。近隣住民からも迷惑しているとの声が聞こえてきた。

「病気やケガをしていたり、骨折している子もいて……。このまま増やすとよくない、猫が外で暮らしていくのは難しいなって感じましたね。ここにいる子達の繁殖制限をして、保護できる子は保護して。なんとか譲渡に繋げていけないかなと思うようになりました」

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それから管轄の区役所にも相談して、現場の猫たちを捕獲しては動物病院へ連れて行き、半年間で一気に不妊・去勢手術を終えた。ペット可の賃貸住宅に住んでいたが、猫の飼育の上限は「2匹」。すでになつきちゃんがいたので、残り1匹の枠を保護した猫に充てて、家族に迎えたい人を募った。

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1匹保護して譲渡したら、もう1匹保護。しかし、まだまだ現場には猫がいる。このペースでは終わりが見えないと感じた。そこで交流があったmaiさんに相談し、協力を得られることに。保護活動を行うmaiさんのもとでも猫の預かりと飼い主募集の発信をしてもらい、譲渡ペースを加速させた。

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maiさんのもとでこれまで預かり、譲渡した猫は12匹。そのうちの1匹が写真のおとな猫「やよい」ちゃん。公園で猫カゼをこじらせて動けなくなっていたところをプンクマさんが保護した猫だ

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maiさんの家で過ごしていた頃のやよいちゃん。ほかの保護猫たちと、まったり(写真提供:maiさん)

プンクマさんの愛猫となった青彩ちゃんも、この現場にいた猫だった。

「当時の青彩ちゃんは、ケガをして、ひどい目やに、ハゲもあって。ガリガリに痩せてました。飼い主さんを募集しようにも、人に馴れようともせず、うちの中が快適で気に入って『もう出て行きたくない』そうで(笑)。このままいてもらうことにしました」

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保護して間もない頃。フーフーシャーシャー!

青彩ちゃんを迎えたことで、飼育数が上限の「2匹」になり、保護猫の枠はなくなった。その頃、知人を通じて、犬猫サロンぷらすを紹介してもらう。

「有料で保護猫も預かっていただけるペットホテルで、預けた猫たちの飼い主探しをサービスで代行してくれました。保護・譲渡にかかる費用や病気の猫たちの医療費の負担も大きくなる中、少しでも療養・滞在費の一部に充てられるように、保護した猫をモデルにしたグッズを製作・販売していただきました」

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「犬猫サロンぷらす」では、保護犬・猫をモデルにしたオリジナルグッズを販売し、その資金で利用料を低価格に抑えている。上のアヤメちゃんA5ノートは、プンクマさんが撮影した猫の写真をもとに、画家のマツダケン氏がイラストを手がけた(2021年11月時点、一部在庫あり)

プンクマさんが、これまで犬猫サロンぷらすに預けた猫は13匹。そのうちの7匹が譲渡につながり、現在(2021年11月時点)はあと6匹が出会いを待っている。

「ノラ猫を景色のように捉えて作品とする写真は、もう撮れないですね。この子達を迎えてくれるおうちの方に、『外ではこんなところにいたんだよ』とお伝えする “記録”として撮影しています。maiさん、犬猫サロンぷらすさん始め、近隣の方の応援もあって、現場に残るノラ猫も、あと1匹となりました」

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外でボロボロになり、警戒心丸出しだった青彩ちゃんも、家ではくつろぐ姿を見せてくれるように。近づくと怒ることもあるけれど、少しずつ体を触らせてくれるようにもなった。最近では、プンクマさんの足を枕にして眠ることも。

「他の人や猫と関わりを持つのは嫌で怖がりですけど、快適そうに過ごしてます。こたつの中、本体のスイッチは入れずにホットカーペットで程よくあったかい状態が好きだったり。暑くなったら、床でゴロンと体を冷やして。そういう姿を見ると、よかったね。好きに暮らしな、って思います」

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家の中に、お気に入りの場所がたくさん。外にはあまり興味なし

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長年連れ添っているなつきちゃんに対しては、「あんた、平和だね」。甲状腺機能亢進症、腎臓病といった高齢期の猫がかかりやすい疾患を抱えながらも、投薬をこなし、療法食もお気に入り。かまって、かまっての連続。好きなだけ甘えて、日々を優雅に過ごしている。

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若かりし頃のなつきちゃん

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「以前は外の猫の写真を撮って楽しんで、それだけで、無責任だった。そんな自分が言うのはおこがましいかもしれないですけど、猫には家で暮らしてほしい。猫は、家の中で家族と一緒にいるのが一番です」

写真/プンクマ 文/本木文恵
Instagram:@pnkm913 
Twitter:@pnkm913

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