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WISHING 03/01/24 鳥インフルエンザワクチンの準備を着々と進める国々

鳥インフルエンザは、昨年から南米大陸各地で海鳥や海洋哺乳類の大量死を引き起こし、すでにウイルスは南極大陸にも到達した。ウイルスは、鳥から哺乳類へという種の壁を乗り越える変異を持つに至るばかりでなく、哺乳類から哺乳類への感染力をも持つように進化している可能性が懸念されている (1213)(1214)。

2024年2月23日、欧州医薬品庁(EMA)のヒト医薬品委員会は、鳥インフルエンザワクチンに関する勧告を発表した。安全性と有効性の試験に基づく今回の承認によって、明日にもパンデミックが起きた場合に、パンデミックワクチン(もちろんヒト用)の最終承認を早めることができるようにするためである。

2024年、鳥類、哺乳類の鳥インフルエンザウイルス感染が多数報告されているばかりでなく、すでにヒトの感染も複数報告されている。

同委員会は、鳥インフルエンザとも呼ばれるA型インフルエンザウイルスH5N1型に対する積極的な予防接種を目的とした2つのワクチンの承認を勧告した。どちらもSequirus社製の不活化アジュバント細胞ワクチンである。

そのうちの1つCelldemic(セルデミック)(人獣共通感染症用インフルエンザワクチン(H5N1)(表面抗原、不活化、アジュバント、細胞培養で調製))は、公衆衛生当局がパンデミックの可能性を予期している場合を含め、動物由来のインフルエンザ発生時の予防接種を目的としている。

もう一つのIncellipan(インセリパン)(パンデミックインフルエンザワクチン(H5N1)(表面抗原、不活化、アジュバント、細胞培養で調製))は、インフルエンザの流行が公式に宣言された場合にのみ使用することを目的としたパンデミック対策ワクチンである。

パンデミックが発生した場合、パンデミックを引き起こすウイルス株が同定されれば、製造者はこの株を承認されたパンデミック準備ワクチンに含め、「最終的な」パンデミックワクチンとして承認されるよう申請することができる。

ワクチンの品質、安全性、有効性はすでに他のパンデミック候補株で評価されているため、最終的なパンデミックワクチンの認可を早めることができるとされている (1215)(1216)。

米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、2023年には、米国では国家戦略備蓄として2,000万本のH5N1ワクチンと1,200万本のH7N9ワクチンがすでに利用可能な状態であるという。米国FDAは2020年1月31日にAudenz™(インフルエンザ A(H5N1)1価アジュバント 細胞ワクチン)を承認済みである (1217)。

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