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損益分岐点の仕組みと計算方法について

損益分岐点(そんえきぶんきてん、Break-even Point、BEP)とは、事業や製品の販売において、全体の費用(固定費と変動費の合計)と総収入が等しくなる点のことです。この点を超えると利益が出始め、未達の場合は損失が発生します。損益分岐点を理解することは、ビジネスの財務健全性を評価し、価格設定やコスト管理の決定に役立ちます。

目次

  1. 損益分岐点売上高の計算式

  2. 限界利益率とは?

  3. 限界利益とは?

  4. 変動費とは?

  5. 限界利益率の計算例

  6. 損益分岐点売上高の計算例

  7. 損益分岐点数量の計算式

  8. 損益分岐点の重要性

  9. まとめ

損益分岐点売上高の計算式

損益分岐点売上高とは、売上高と費用がちょうど同じになる売上高のことを指します。

以下の式で計算できます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率

  • 固定費: 売上高に関係なく発生する費用。家賃、人件費、減価償却費など。

  • 限界利益率: 1円の売上増加によって生み出される利益の割合。売上高から変動費を引いたものが限界利益となります。

限界利益率とは?

限界利益率は、売上高に占める限界利益の割合を表す指標です。以下の式で求めることができます。

限界利益率(%) = 限界利益 ÷ 売上高 × 100

  • 限界利益: 1円の売上増加によって生み出される利益。売上高から変動費を引いたものが限界利益となります。

  • 売上高: 商品やサービスの販売によって得られる収入。

  • 変動費: 売上高に応じて変動する費用。原材料費、人件費、販売手数料など。

限界利益とは?

限界利益とは、売上高から変動費を引いた利益のことを指します。簡単に言えば、1円の売上増加によって生み出される利益のことです。

限界利益は、以下の式で計算できます。

限界利益 = 売上高 – 変動費

  • 売上高: 商品やサービスの販売によって得られる収入。

  • 変動費: 売上高に応じて変動する費用。原材料費、人件費、販売手数料など。

以下は、限界利益の例です。

  • 商品を1個100円で販売している場合

    • 販売した場合の売上高: 100円

    • 原材料費: 50円

    • 人件費: 20円

    • 販売手数料: 10円

    • 変動費: 50円 + 20円 + 10円 = 80円

    • 限界利益: 100円 – 80円 = 20円

限界利益は、経営にとって重要な指標の一つです。

変動費とは?

変動費は、生産量や販売量に直接比例して増減する費用で、ビジネス活動の規模が変わるとそれに応じて変わる費用です。変動費の例をいくつか挙げてみます。

製造業での変動費:

  1. 原材料費:製品を生産するために必要な材料や部品の費用。生産量が増えればそれに比例して増加します。

  2. 直接労務費:製品を直接製造する従業員の賃金。生産する製品の数によって増減することが一般的です。

  3. 包装材費:製品を包装するための材料費。販売する製品の数に比例して増減します。

  4. 輸送費:製品を顧客に配送する際の運賃。出荷量に応じて増減します。

  5. コミッション費:売上に基づいて支払われる営業スタッフや代理店への手数料。

サービス業での変動費:

  1. 消耗品費:サービス提供時に消費される材料(美容院のヘアカラー材料、レストランの食材など)。

  2. 外注費:特定のサービスを外部業者に依頼した場合の費用。サービス依頼の数に比例して増減します。

  3. 電力費:製品の生産やサービスの提供に必要なエネルギーの使用量に基づく費用。活動量に応じて増減します。

小売業での変動費:

  1. 商品仕入れ費:販売する商品の仕入れ費。販売する商品の量に応じて増減します。

  2. 販売促進費:キャンペーンや広告などのプロモーション活動にかかる費用。これらも売上目標に応じて調整されることが多いです。

貢達成した時点で、その売上が固定費をカバーし、それ以降の売上から利益が生じ始めることを意味します。

限界利益率の計算例

以下は、限界利益率の計算例です。

  • 売上高: 100万円

  • 変動費: 50万円

限界利益

限界利益 = 売上高 - 変動費
= 100万円 - 50万円
= 50万円

限界利益率

限界利益率(%) = 限界利益 ÷ 売上高 × 100
= 50万円 ÷ 100万円 × 100
= 50%


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