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「地方創生と地域金融」のこれから

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行政×企業×金融による地域連携についてまとめた『実践から学ぶ地方創生と地域金融』(学芸出版社)をはじめ、地方創生や地域金融にまつわるトピックや事例などに関するマガジンです。
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記事一覧

これからに観光に求められる、担い手づくりと地域ブランドづくり

『実践から学ぶ地方創生と地域金融』は2020年9月に出版しましたが、登場する事例の多くは新型コロナが流行する以前に取材や確認を行ったものがほとんどです。もちろん、どの事例や地域も新型コロナウイルスの影響は大きく受けていますが、とりわけ大きな影響を受けたのは観光分野かもしれません。 本書で書かれた内容が一部変わっている部分も大いにあるかもしれません。そもそもで、書籍というものそのものが、その時代や当時の様子や有り様を、ある種の瞬間冷凍のようなものでがちっと固めるような雰囲気が

地域経済を支える地域信用組合、その変革が経済循環を促進する

地域金融機関のなかでも、信用金庫や地域信用組合は地域と共存共栄が宿命づけられている組織です。 信用金庫も信用組合もある種の協同組合組織で、職域や地域など、特定のコミュニティの人たちによる相互扶助を目的にした組織で、個人や住民、事業者が会員や組合員となって会員の発展を支える非営利組織としての金融機関です。つまり、会員同士の生活の質や地域経済を活性化するためにいかに寄与していくかを考える必要がある組織といえます。 特に、信用組合は、地域だけでなく業域や職域などの信用組合もあり

教育支援や生活インフラ環境整備による「次世代投資」という考え方

すべての地域に共通するものとして、地域をもり立てる要素に欠かせないのが「人」です。 コミュニティを支えるお祭りなどの地域の行事も、人がいなくては成りたちません。また、自治体の税収面においても、法人税や住民税などが人口減少によって目減りしていき、結果として、行政サービスの低下にもつながります。高齢化とともに地域に若い世代が減少していけば、地域そのものが地盤沈下してしまいかねません。 こうした危機感のもと、昨今の地方創生の流れにおいて移住や定住に向けた取り組みを各自治体でも積

地場産業の創出と再構築に向けて

『実践から学ぶ地方創生と地域金融』、続いてはScene2の「地場産業の新展開に伴走する」です。(Scene1はこちら) 地域に長年続く産業は、歴史的な背景や気候、風土、自然環境、社会環境などによって、次第に構築されてきました。まさに、地域の歴史でもあり固有の資源でもあり、地域ブランドを作る一つの柱です。 そうした地場産業も、時代の変化とともに人口減少や高齢化による担い手不足、産業そのものの市場の低下など、置かれている状況や環境による課題は地域によって様々あります。 地場

地域資源の発掘・利活用と向き合うこと

気がついたら『実践から学ぶ地方創生と地域金融』が発売から1ヶ月弱が過ぎていました。おかげさまで雑誌や専門誌などで書評をいただき、比較的専門的な内容でありながら、幅広い人たちに読んでいただいているようです。 いわゆるな金融本ではなく、テーマでもある地方創生を主軸としつつ、企業、地域金融機関、そして行政という様々なセクターを超えた連帯をつくり出すことにより、地域経済を生み出す仕掛けについて、事例をもとに分析していくのが本書の目的です。 そのため、様々な立場の人たちに読んでいた

紀伊国屋書店新宿本店のブックフェア「本屋で都市を編む」の選書者で参加しています

9月17日から10月22日まで、新宿紀伊国屋書店で開催されているブックフェア「本屋で都市を編む」の選書者の一人で参加しています。 自著一冊と「これからの都市や社会を考察する」一冊を35名の方々が選んだ棚です。サブタイトルは「35名のアーバンシンカーによる70冊の選書フェア」だそうです。ちなみに、フェア対象本を買うと選書コメント付きのチラシももらえる特典付です。 雑誌『MEZANINE』吹田良平編集長のもと、様々な分野の人たちによる個性豊かな本が並んでいます。 私は、新著

協同組合こそ、現代の地域のインフラになりうるネットワークを持っている

先日、Twitterでこんな投稿が流れてきました。 農薬で作られた野菜よりも、無農薬や有機農法で作れた野菜のほうが環境保全や身体的な健康面において良いとされていることは、多くの人が認識していることだと思います。 とはいえ、有機農法で作られた野菜やオーガニック製品は一般的に値段が高く、なかなか日常的に購入するのは難しいのが現状です。とはいえ、何を買い、何を食べるか、という日々の選択によって、私達の身体や社会はつくられているはず。経済的に余裕のない人にとっては、有機製品を購入

「お金の見える化」と地域経済を支える基盤としての地域金融機関

『実践から学ぶ地方創生と地域金融』に登場するのは、文字通り地域金融機関です。では、「地域金融機関」とはどのようなものなのか。みんながよく知っている銀行と何が違うのか。 多くの金融機関は、個人や企業からの預金をもとに融資やローンを行い、その金利を収益として事業を行っている組織です。また、振込や送金、口座振替といった代金支払いや金銭授受を行う「為替業務」があり、先にあげた「預金業務」「融資業務」と併せて金融機関の代表的な業務です。 そして、どの金融機関もほぼ同じような業務を行

出版のきっかけ、年齢や問題意識の違う二人が書き上げたもの

新著の『実践から学ぶ地方創生と地域金融』は共著での出版なのですが、その共著相手の山口さんについて、あまり触れてこなかったかな、と思うので、今回は山口さんについて簡単に私からご紹介しつつ、なぜ、この二人で本を出すきっかけになったのか、について書いてみたいと思います。 そもそも、山口さんとは以前からの知り合いだったわけではなく、今回の本を出版するにあたり、版元である学芸出版社の担当編集である松本さんからおつなぎいただきました。 一般的に、共著者とは以前からの知り合いだったり、

なぜ、いま「地方創生」と「地域金融」の本をだすのか

前回のnoteでご紹介した新著『実践から学ぶ地方創生と地域金融』、お盆前に無事校了し、9月9日から書店に並ぶ予定です。 前回のブログやSNSでの投稿がきっかけか、Amazonでも地方行政カテゴリーで一瞬3位にまでランキングが上りました。ニッチなテーマながら、コロナ禍においてますます都市部以外の地方のあり方を模索するなか、「地方創生」というテーマに「地域金融」という、これまであまり語られてこなかった金融的側面からの地域活性の取り組みをまとめた内容に、期待や関心を向けている人が

2020年9月に『実践から学ぶ地方創生と地域金融』を出版します

学芸出版社から『実践から学ぶ地方創生と地域金融』という本を出版します 本書は、地域プロジェクトにおける、地域金融機関の役割を主軸にまとめたものです。人口減少、高齢化、過疎化、地場産業の衰退等、あらゆる地域の課題を解決しながら、持続可能な地域へとするためのスキームづくりが求められてきます。こうした地域課題の解決において、行政、民間企業だけでなく、金融機関も関わることによって、持続可能な都市や街が作られるスキームを構築することができます。 多くの人がイメージする「金融」から脱