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『SPY×FAMILY』を楽しむために、実際のスパイ活動や超能力研究を調べてみた

SPY×FAMILY』は冷戦時代をモデルにしていて、スパイ活動や超能力研究が描かれます。

現代の私たちにとっては、これらの設定ってマンガや映画ならではのフィクションに思えますが、冷戦時代においては実際に熱心に行われていたんですよね。

当時の事件を調べてみるといろいろと面白かったので、いくつかご紹介していきます!歴史を知れば『SPY×FAMILY』の世界がより身近に感じられるはずです!

実際に起こったスパイ事件

○ アメリカの原爆情報がソ連に流出!「ローゼンバーグ事件」

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wikipdeiaより画像引用)

1950年に発覚した、アメリカ人夫婦がソ連に原爆に関する機密情報を流していた事件です。

アメリカ在住のジュリアスは第二次大戦中に共産主義に共感し、妻と協力して、アメリカの原爆開発の機密情報をソ連に提供していました。二人はスパイ容疑で逮捕。裁判官に「殺人よりも非道である」と断罪され、夫婦はともに死刑判決を受けました。

しかし、夫妻は無罪を主張しており、証拠も関係者の自白しかありませんでした。夫婦に同情した人々が死刑に反対するキャンペーンを大々的に実施します。キャンペーンには、アインシュタインやピカソらも賛同しました。

世界的に話題になるも、判決が覆ることなく死刑は執行。真相が明らかにされないまま、アメリカ史上初めて民間人がスパイ容疑で処刑されました。

この事件の後、マッカーシーによる共産主義者への取り締まりが強くなります(”赤狩り”)。

死刑執行から数十年後、ソ連側の情報公開により夫婦はソ連のスパイであったことが判明しました。

<参考> 冷戦期を舞台にしたおすすめのスパイ作品

○ マンガ『東独にいた』

東ドイツを舞台にした歴史マンガです。当時の空気感を反映しながら、SF要素も取り込んでいて面白いです。

映画『コードネーム U.N.C.L.E.』

CIAのスパイとKGBのスパイが手を組み、世界の危機を救うスパイアクション映画です。設定は非現実的かもしれませんが、冷戦期のスパイ活動が細かに描かれています。アクションシーンも面白かった。

実際にあった偽装結婚

『SPY×FAMILY』では、任務遂行のためにロイドはアーニャとヨルと偽りの家族を築きます。

2017年に公開された『マリアンヌ』という映画も、スパイの偽装夫婦を題材にしています。しかもこの映画は、実話をもとに制作されています。

主演はブラットピットです。

第二次大戦中に、カナダ人のとある軍人がモロッコのドイツ大使を暗殺するために、カサブランカに潜入します。任務遂行のために現地で合流したフランス人女性と夫婦を演じ、ターゲットに近づきます。

暗殺は無事に成功。任務は終了したのですが、二人は恋に落ちてしまい、本当の夫婦になります。しかし、妻にはとある秘密が・・・。というストーリーです。

最後の展開が感動的で、とても印象に残っています。

このスト-リーは実話をもとにしているといわれています。(関係者からの伝聞をベースにしているので、どこまで史実なのかは不明ですが。)

偽装家族と本物の家族って何が違うんだろう?と考えたくなるエピソードです。

実際にあった超能力開発

アーニャはある組織の実験体として育てられ、人の心を読める超能力を得ました。

超能力こそマンガの世界の話に思えますが、冷戦時代には米ソともに熱心に研究がされていました。

○ アメリカの超能力開発「スターゲイト・プロジェクト」

スターゲイト・プロジェクト」は、1978年から1994年までアメリカで極秘裏に進められてきた超能力研究です。この研究は、遠くにある物体を透視する「リモートビューイング(遠隔透視能力)」を研究し、軍事利用に転用するプロジェクトです。

日本でも有名な超能力者・ユリゲラーも研究対象となり、彼の超能力を一般の軍人にも応用できないか調査されています。

アメリカは20年近くこの研究を続けてきましたが、最終的には「科学的な正当性は何も得られなかった」と報告しています。

ただ、プロジェクトリーダーがその報告に反対意見を出したり、明らかになっていない研究もあるようで、ネット上には様々な噂が飛び交っています。


○ ソ連の偉大な超能力者:ニーナ・クラギーナ

ソ連には超能力者とされる人物が複数おり、超能力の研究が盛んに行われていました。そのうちの一人が、20世紀最大の超能力者とも評されるニーナ・クラギーナです。

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Wikipedia「Nina Kulagina」より画像引用)

普通の主婦であったクラギーナは、テーブルの上にある物体を手を使わずに動かすことができました。彼女の超能力はソ連国内で話題となり、盛んに研究が行われます。

クラギーナの実験で特に有名なのは、カエルを使った実験です。彼女の前に鼓動しているカエルの心臓を置くと、彼女はカエルの心臓を早めたり、遅くしたりすることができ、最後は停止させたそうです。

もちろん、彼女の超能力は何らかのマジックを使っているのでは?という反論も多数出ています。そんな論争が巻き起こる中、ソ連は彼女の研究を20年間続けてきました。

彼女の存在が国際的に話題になったことで、アメリカは超能力研究に力を入れ始めたと言われています。

<参考> 超能力を題材にしたおすすめの作品

○ 映画『ヤギと男と男と壁と』

アメリカでは「スターゲイト・プロジェクト」とは別に、「ジェダイ・プロジェクト」という計画が進行していました。スターウォーズのジェダイみたいに人間の内なるパワーを最大限高めようとする嘘みたいな研究です。超人的なパワーを手にした人は、ヤギを見つめるだけで殺せたとか(!?)。(のちにこの計画は「スターゲイト・プロジェクト」に統合されます。)

この「ジェダイ・プロジェクト」を取材した記者のノンフィクション本を映画にしたのが、『ヤギと男と男と壁と』です。

主演は、スターウォーズでジェダイを演じたユアン・マクレガーという粋な演出。アメリカ政府の闇をコメディタッチで描いています。

○ 映画『エージェント・ウルトラ』

1950年代にアメリカは「MKウルトラ計画」という非人道的な洗脳研究を行っていました。被験者の同意を得ずに、薬物や放射性物質を使ってマインドコントロールの実験をしていたのです。

このプロジェクトを題材にした映画が『エージェント・ウルトラ』です。

頼りない青年は実は過去に「MKウルトラ計画」の被験者であり、超人的なパワーを秘めていました。記憶が改ざんされており本人はその事実を知らないのですが、とあることがきっかけでパワーが目覚める、というお話です。

こちらもコメディタッチで描かれていて、非常に面白いです。

実際の事件を知れば、作品が身近に感じられる

今回ご紹介したように、冷戦期にはスパイ活動で原爆の情報が漏れたり、超能力開発が積極的に行われたりしていました。これらの事実を知ったうえで『SPY×FAMILY』を読むと、作品の世界がより身近に感じられます。

都市伝説的な情報はこの記事では紹介しませんでしたので、興味がある方はぜひご自身で調べてみてください!1日があっという間につぶれますよ!

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