自分はオタクに憧れていたんだ。『映像研には手を出すな!』に惹き込まれた理由
マンガ情報サイト「アル」でライターをさせていただいている江口ひろです。
先輩ライターであるもり氏さんのstand.fm「マンガライターもり氏の好きなマンガを誰かと語りたいラジオ」に出演させていただきました。
毎回1つの作品の魅力を語りあうこのラジオですが、今回は『映像研には手を出すな!』について、先輩ライターのハパさんと一緒に語らせてもらいました。
本作の魅力、そしてもり氏さんやハパさんの人柄の良さがたっぷりとつまったラジオになっています。ぜひ聞いてみてください。
で、この記事では、ラジオの中で自分が伝えたかった『映像研には手を出すな!』の魅力について文字にしていきたいと思います。
私はこの作品を読んで、オタクに憧れていた自分を再発見しました。
YouTubeでの大童澄瞳先生の発言
ラジオ出演にあたって、こちらの動画を見返しました。
”オタキング”こと岡田斗司夫さんのYouTubeチャンネルで、岡田さんと大童先生が対談されている動画です。
この動画の中で大童先生が「プロデューサー的視点から言うと、映像研はオタクの人に向けて描いている」とおっしゃっていました。その発言を聞いたときに私は、『映像研には手を出すな!』に自分がどっぷりとハマっている理由を発見することができました。
オタクに憧れ続けてきた
私は昔からオタクに憧れてきました。
オタクと呼ばれる人たちって、1つのジャンルに膨大な知識を持っていて、一度語りだしたらとまらなくなったりします。アニメオタクならちょっとした描写に感動したり、鉄道オタクならちょっとしたパーツの違いにときめいたり。はたからみたら些細なことに、大きな感動をされています。
自分はミーハーな人間だったので、そんなオタクにはなれませんでした。なれなかったからこそ、オタクの人たちに対してコンプレックスを含んだ強い憧れを抱いてきました。感動しているオタクの方々をみると、人生が輝いているように見えて羨ましかったのです。
『映像研』はオタクの魅力がつまっていた
『映像研には手を出すな!』には、私が憧れていた「オタク的要素」がたっぷりと詰まった作品でした。
ダンジョンみたいな建物!
建築オタクがうなりそう!
ロボットの細かい設定!
ロボットオタクのロマンがつまっている!
散りばめられた小ネタ!
↑ 浅草氏が見つけたラジカセには『宇宙戦艦ヤマト』第一回放送分が録音されていたのです!アニメオタクが数時間語りだしそう!
いたるところにオタクが詰まっている!!!
これらのシーンに深く感動したい!!!
本作には私が憧れてきた「オタク的なもの」がたっぷりと描かれていました。むしろ、オタク的なものによって本作は構成されているのです。
なにより、映像に対するこだわりがオタク!
そして、なによりも欠かせないのが映像研3人の映像制作に対する強いこだわりです。
観客の99%が気づかないような描写に徹底してこだわります。映像オタクだ!
内なる「好き」に向き合い続ける
この3人のおもしろいところが、彼女たちは映像にはこだわるのですが、周囲の反応にはそこまで気にしていません。
制作した作品を批評家に評価されたときの浅草氏の反応がこちらです。(第5集より)↓
そんなことより気にしていたのは、おしるこが値上げしたかどうかでした。
浅草氏にとっては、批評家の言葉よりもおしるこの値上げの方が重要なのです。
第三者の評価には見向きもせず、「自分たちが考えた最強の世界」を実現するために、彼女たちは映像を制作しています。
自分の中にある「好き」に向き合い続ける。このスタイルこそまさにオタクです!私が憧れてきたオタクが本作には描かれていました。
オタク世界の深淵がこちらをのぞいてくる
本作を読んで、「そういえば自分はこんなオタクに憧れてきたんだなぁ」なんてことに気付かされました。そして、オタクへの憧れがさらに強くなっていきます。
そんなオタク世界の深淵に惹き込まれるからこそ、私はこの作品にどっぷりとハマっているんだと思います。
自分も最強の世界を見つけて、オタクになってやるゾ。
私と同じようにオタクに憧れてきた方々は、ぜひ本作を読んでみてください。きっとオタクへの憧れがさらに強くなるはずです。
そして、時間が空いたらラジオも聞いてみてください。
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