見出し画像

句を詠む人

先日、妻と食後のお茶を飲みつつ、手元の辞書を開いた。「胚胎」の項などを面白く読んでいると、ふと「俳人」の語が目に入る。それには、「俳句を詠むことをライフワークとする人」とあった。

さすがは、独特の解釈で定評のある新明解さんだ。「なりわい」や「職業」でないところが良い。現代では俳句だけで喰っている人はいない、とも取れるが、素直に、俳句を楽しんでいる人が俳人なのだ、と受け取った。

何かに親しむとき、もうそれは「その人」だと言って差し支えない。何かになりたくてなりたくてでもなれなくて、それでもそれをやめられそうにはない私たちの背中を、ぽん、と手の平で押してくれる。

 句 を 詠 め ば 句 を 詠 む 人 と 辞 書 に あ り

ここから先は

24字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?