藤井七段昇級に王手

◇ 棋戦 順位戦C1組
◇ 対局者 先手(▲)藤井七段 / 後手(△)小林七段
◇ 対局日 1月16日
◇ 開始時間 10時
◇ 終局時間 19時4分
◇ 線型 一手損角換わり
◇ 消費時間 ▲藤井七段5時間23分、△小林七段2時間20分

藤井七段は本局に勝つと、昇級まであと1勝となります。
消費時間の差に驚かれるかもしれませんが、小林七段は早見えで早指しを得意とされる棋士で、持ち時間の短い銀河戦などで活躍されていました。

序盤、後手の小林七段が積極的に仕掛けます。一手損角換わりから、飛車筋を止める「△2七歩打」という新手筋を見せました。

藤井七段の自然な対応で、後手の形勢が悪くなりましたので、結果としては無理筋だったのかもしれません。 

28手

以下、▲同飛、△3六角打、▲3七飛、△5四角、▲3三銀成、△同桂、▲3四歩、 △4五桂、▲2七飛、△2三歩、▲4六歩、 △3六銀、▲1七飛 △3七桂不成と進みました。

途中  桂馬にアタックしながら、▲4六歩 と飛車筋を通したのも好手で、後手は攻めを急がされることになります。

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ここまで進んで、先手の有利がはっきりしました。

局面が進んで、▲4五桂馬と跳ね 飛車と銀を交換した後の局面。
▲5五角と打ちましたが、角を温存する▲6六桂打が勝ったようです。

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以下、△6五角 ▲5八銀 △4二金 ▲7七桂 △2九角成 ▲6五角 と進みます。
先手からは、馬と角を交換した後に銀を取る筋、▲7四桂と跳ねて王手飛車などの狙いもあり厳しいです。

変化図1


▲5五角の後一足遅れて▲6六桂と打った後からは、藤井七段がやや有利ながらも、小林七段にも逆転のチャンスがありそうな局面が続きます。

局面が進み、ここで△7五香と打てば、先手玉も左右から迫られる形となりますので、勝敗の分からない長い戦いが続いたかもしれません。

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本譜は △4四香と打ちましたが、この手には藤井七段が決め手を用意していました。

敗着とは言えないかもしれませんが、結果としては負けを早めた手になったかもしれません。

以下、 ▲7七桂 △56角 ▲同歩 △4五香 ▲5七角 と進行します。

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そして、最後の▲5七角が決め手となり、最後は大差で藤井七段が勝利を収めました。

この勝利で、藤井七段は C級1組への昇級へマジック1としました。
次戦は、高野秀六段との対局になります。

小林七段は、本局に負けて2勝6敗となりました。残り2戦次第ですが、降級点を気にしなければならない成績となりました。

昇級争いに絡むC1の上位の成績の棋士は次の通りです。

【8勝0敗】藤井聡(3)
【7勝1敗】佐々木勇(14)、及川(32)、石井(34)
【6勝2敗】都成(20)、高野秀(30*)、佐藤和(33)

昇級は、 トップの藤井七段と、1敗はしてますが、順位が上位の佐々木勇七段が有利だと思います。

石井五段は、今期C1に上がったばかりなので、 前期の藤井七段がそうだった様に順位が悪いので、1敗でも頭ハネの可能性もありますので、少し不利かもしれません。 

※ 棋譜図面には 「9四歩」の端を突いた手 が入っていません。

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