「セックス革命」 他者の誕生

40億年前の大イベント=生命の誕生によって細胞が生まれたとき、細胞にとって世界は細胞自身と外界の2つに区分されていた。細胞(生物体)とは、外界に抵抗して自身の状態を維持する働きだからである。
やがて生物体は、新たな識別対象として「他者」を発見することになる。どこかの時点にその瞬間がなければ、今日我々が他者認識を行えるはずはないからである。

生物の歴史の中でその瞬間を探すならば、遺伝子の交換という互いに同等の存在資格を認める相手を必要とした時が有力ではないかと考える。
それまでにも捕食対象であったり、被捕食者のような存在はあったが、それらは自身と同等の存在資格を認めることを必ずしも必要としない。
一方、遺伝子の交換の場面でも、他の生物体から必要な遺伝子情報を奪うような方法もありえたかもしれない。にもかかわらず、生物は交換相手を「他者」と識別する方法を選択した。
よってこれを私は「セックス革命」と名付けた。

同時にこのことは、外界の中に、単位を以て識別する個体を認めたことを意味する。
セックス革命は「他者」の誕生であると同時に、「個物」の誕生をも意味する。

セックス革命
他者の誕生
同時に
個物の誕生
2023.01.09


記事「「哲が句」を語る セックス革命」は、文章が冗長であると反省しました。そこでエッセンスの部分だけをダイジェストすることにしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?