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70人裏垢不倫夫の義実家とバトルになった話 ④

こんにちは、ego@離婚協議中(@ego_929)です。
義実家バトル編③の続きです。前編で「義父がやばい」とたくさんの方に言っていただき、やっぱりやばかったんだなと実感しました。引き続きイライラする話ですが、どうぞよろしくお願いします。

(1番最初の話:発覚の経緯から読まれる方はこちらからどうぞ!)



ありがたい説教

実家を奇襲すると言い出したり、離婚の期限を定めてみたり、証拠を消すように命令したりと言いたい放題の義父は、話を続ける内にだんだんヒートアップしてきていた。
しかし、ぶち上がるテンションとは裏腹に、事件についてしっかり調べていない故に手札がどんどんなくなってきたようで、「えーと、えーと、あれだよあれ!」と繰り返しながら私を言い負かすネタを探しており、私は黙ってそれを聞いていた。そして、義父はついに不倫ネタを諦め、私の人格を否定する説教モードに突入していったのだ。

義父「あのねえ、○○(夫)にもあなたにもお互い直すべきところがある。あなたは自分だって人に迷惑をかけている可能性をもっと考えた方がいい
私「お互いに???私がなにかしましたか???」
義父「亭主が遅くまで仕事して疲れて帰ってきても、夕飯もなかったんだろう。満足に家事もできていない家に帰るなんてストレスだよ」

反論が次々浮かんだが、怒りと呆れでなかなか言葉にならなかった。義父は、私が夕飯を作っていなかったということは夫の不貞と同程度に許されないことであると言っている。どう考えても同等ではない。
さらに、私は当初夕飯を作っていた。しかし夫から「いつも遅くなるので、夕飯は仕事の合間に食べたいから作らないで欲しい」と申し出があったのだ。これは実際のところ仕事が遅くなるからではなく、不倫相手と食事をしていたからだと思われる。
この時すでに「いつかの事後Pasta」というコメントに、2人分のカルボナーラの皿の向こうで高校生がピースしている写真を添えた気持ち悪いツイートが発掘されていた。すべての麺類に謝って欲しい。
どこから言葉にしようか逡巡していると、義父が続けた。

義父「あなたには分からないと思うけど、サラリーマンは大変なんだよ
私「??????」

確かにちょっと何を言っているのか分からなかった。なぜなら、私もサラリーマンだからである。結婚式で私の上司が乾杯の音頭を取ったのを義父は忘れてしまったのだろうか。
そもそも、夫がつい先日まで住んでいたこの家は、私の会社が借り上げている社宅なのである。私の両親が4年間で1度しか来たことがない中、月1ペースで何度もコーヒーを飲みに上がり込んでいた義父は、この家を一体何だと思っていたのだろうか。(コメダ?)
万が一、夫が「私が退職した」みたいな嘘をついていたのかと思って聞いてみた。

私「私、夫くんと同じように正社員として働いているんですが」
義父「知ってるよ?知ってるけど、それでも男には男、女には女の役割があるんだよ。女に生まれたからにはやらないといかんことがあるわけ」
私「うわあ」

当たり前だが義父は私が就業していることは覚えていた。その上で、シンプルに男尊女卑だった。この義父の発言にはめちゃめちゃ引いたのだが、録音を聞き返したら本当にうわあ、と口に出していた。もうドン引きである。


シンプルな男尊女卑

私「男の役割、女の役割というのは具体的にはどう違うと考えておられますか?」
義父「責任が全然違う、男は会社でもリーダーとして引っ張っていかないといけないし、家では家計を支えないといけない。プレッシャーだよ。」

令和の時代にこんな男女差別を振りかざした説教をかましてくる人がTwitterじゃなくてもいるんだな、と冷静に思った。もはや上司でなく、義父として出会ってよかったと安堵するくらいの境地であった。(もちろん出会わなくて済めば最高だったのだけれども)
義父は、女の仕事なんて楽なもんだと言いたいようだった。ここは共働き時代の社会人として受け入れる訳にはいかない。

私「私は夫くんと同じように総合職正社員として働いており、上司も部下も、男性女性両方ともいます。私の仕事には男女の差はありません。家庭でも給与の中からパーセンテージを決めて夫くんと同様に家計にお金を入れています」
義父「でも○○(夫)の方が大変な仕事だよ。残業も多くてさ」
私「夫くんは基本的に7時間半勤務ですが、私は8時間勤務で土曜出勤もあります。残業時間で言えば夫くんの方が忙しいように見えますが、実際の労働時間で見るとそこまで変わらないと思います」
義父「○○(夫)の会社とあなたの会社では規模が違う」
私「そうですね。でも所属する会社の規模感で個人の仕事の価値や重要度は決まらないと思います。夫くんの会社より規模の大きい会社で働いている女性も世の中にはたくさんいます」
義父「亭主の会社を馬鹿にするなんていただけないな。こんな世話になっておいて」
私「私は会社も仕事も馬鹿にしていません。ただ、お世話になっているという観点では、私たちが住む家を用意し家計に貢献してくれているのは私の会社です。夫くんの会社は規模が大きいのだから、もう少し福利厚生に期待していたのですが」
義父「………………」
私「そもそも私は当初夕飯を作っていました。それをやめてくれと言い出したのは夫くんです。かなりの割合で定時で帰っていたようですし、ホテルでルームサービスでも食べていたのではないですか」(※食べてました)

私「それに、仮に私が家事を全くしていなかったとしても、それは夫くんがやった70人との不貞行為と同列に語られるほどの悪質な行動でしょうか。ここまでの犯罪級のことをした夫くんと『お互いに直すところがある』と並べられるのは、ちょっと許せないです」
義父「さっきから聞いているとあなたはねえ、男女の違いを理解できていないよ。向き不向きっていうのがあるんだから」
私「向き不向きは性別だけで決められないと思います。料理が得意な男性もいるし、ビジネスリーダーとして優秀な女性もいますよね。
それに私たちの世代の収入はお義父さんがびっくりするくらい低いんですよ。一馬力では家計が回らないから共働き世帯が増えているんです。どっちも稼がないといけないんだから、家のことも分担しないと回らないです。共に働いているのに、女が家事をしないことは犯罪級ですか?そのジェンダー観は遅れていると思います。性別にとらわれずにそれぞれが役割を担っていくべきではないですか」
義父「だからさっきからそう言ってるだろ!」

言ってねえだろ!!!!と思ったが一喝することはしなかった。義父はかなり興奮していた。もう言っていることがめちゃくちゃである。その同じ土俵に乗りたくなかったのだ。しかし、予想外に義父はこう続けた。

義父「あとね、あなたは言葉遣いが汚い。直した方がいいよ

シンプルにそれはお前だよである。しかも、私はここに書いている心の声は出していないので、ここまで基本的に敬語で必要なことしか話していない。思わず聞いてしまった。

私「えっどのへんが?」
義父「ほら、みんなでのLINEの最後の」
私「?????」

見返してみると、家族LINEで調子に乗って法律について語る夫に「今、貴様は首の皮一枚であるという状況を心得よ」と送っていた。もしかしてこれですか?と聞いたらどうやら「貴様」が癪に障ったらしい。とてもどうでもいい指摘だし、普段はもちろん使わない。特に訂正せず「それって今言うことですか?」と聞き返すと義父は黙っていた。


義父、最後の手札

私「ちょっと冷静になってください。さっきから私を責める理由を探していますよね。どうして私が怒られているんですか?夫くんが起こした事件ですよね」
義父「俺はねえ、君たちより30年長く生きているんだよ!だからアドバイスしてやってるんだ」

最終的に義父が振りかざしたのが自分と私の「年齢差」であったことが、手札がもうほとんど残っていないのを示していた。30年も長く生きていてこれかよ、と思った。それでも義父は続けた。

義父「あなたはまだ分かってないんだよ世の中のことを!あのねえ、男っていうのは弱い生き物なんだよ

義父がこの残念にも程がある言葉を放った時、ここでもう私から掛ける言葉はないと思った。この時点で0時を回っていた。義父がギャンギャン吠えているのに律儀に1時間半も付き合ったことになる。

実質的に被害者である他人の私を散々罵倒して、剛速球の暴言を投げ続けた挙句、手札がなくなったらいきなり被害者ぶって「男は弱い」と言い出したのだ。この言葉はつまり「自分は悪くない、なぜなら僕は弱い生き物だから」ということと、「だからあなたはそんな僕を受け入れてね」という二重の意味であろう。
今まで出会った中で一番卑怯な人間だと思った。正直夫以上だ。弱いなら弱いでいいけれど、私はそれを受け入れる必要はないし、ここまでにされたことを許すこともない。社会はこの人を甘やかしすぎた。温かく自分を迎え入れてもらえるのが当たり前だと思うな。

私「お義父さん、充電が切れそうなので電話を切ります、おやすみなさい」
義父「そういう風にいつも自分の言いたいことだけ言っ」

なにか義父が喚いていたが、気にせずに電話を切った。もう一台のスマートフォンのボイスメモを確認すると、しっかり録音できていて安堵した。
1時間前に出したケーキはすっかり常温になっていた。こんな最悪な気分で食べるのはもったいない、と丁寧に冷蔵庫に戻した。

燃えるような腹立たしさも悔しさもあったし、義父に対する軽蔑の念もあった。でも夫だけでなく、義父のことも見抜けていなかったんだなという自分への絶望感や、言葉の暴力を一身に受けた疲れが大きかった。ああこれはこの後メンタルに来るな、と冷静に思った。


親友に連絡

親友に「義父もダメだったわ」と一言だけLINEすると、すぐに「何があった!?」と返ってきた。「動画を消せ、会社に言うな、お前も悪い、男は弱い、だそうです」と打つと既読が付いた瞬間に電話が掛かってきた。

親友「どういうこと?????」
私「いやさっき夫のLINEから義父が電話かけてきてさ」

概要を説明すると親友は怒り狂っていた。特にやばい発言は議事録完璧マンの親友を見習ってその場でメモをとっていたので、直後にも関わらず詳細に説明できた。
「マインドコントロール」という信じがたい発言があったことも堪えきれずに話した。あとから考えると親友を否定するような発言を伝えたのは、彼女にとってもダメージがあることであり、本当に申し訳なかったと思う。

それでも彼女は私の話を掘り下げては斬り、掘り下げては斬り、どんどん落ち込んでいく私に「egoは絶対に悪くない!」と言い続けた。もはや炭治郎か松岡修造くらいの勢いだった。この時の私には、この太陽くらいの熱さが必要だったと思う。
しまいには寝ていた親友の夫さんも起きてきて(本当ごめん)、客観的に見ても信じられない発言だと義父の名前をネットで検索し始めた。二人はその後、朝の3時まで私のことを励まし続けてくれたのだ。

親友「今は冷静でも、どう考えても心に傷を負った状態だよね。すごく心配なんだけど」
私「うん、とりあえず精神科には行こうかなと思ってるよ。明日、一番近い予約を取る電話をするつもり」
親友「それがいいよね、休み取れそう?」
私「明日もう部署の人には話そうと思う。このままだと仕事に支障でそうだし…」
親友「きっと分かってくれると思う、そこだけ頑張って。あとは日中でも寝れそうならもう早退して寝たらいいよ。こんなの交通事故にあったようなものだから」

本当に遅くまでありがとう、と通話を切ってしばらくソファでぼーっとしていた。どれくらい経ったか、外がうっすら白んできて、結局ほとんど眠れないまま朝になり、新聞配達のバイクの音が外から聞こえてきた。
仕事にいかなくては、でも立ち上がりたくないな、朝ごはんもないしな、と思いめぐらせ、はっと冷蔵庫に入れたケーキのことを思い出した。
あれだけは美味しく食べないといけない。雑念を振り払って、紅茶のお湯を沸かすためにソファーから起き上がったのだった。




以上、義父とのバトル編でした。この場では完全勝利という訳でもないし、読んでいてかなり疲れたという方もいらっしゃるのではないかと思います。
不快な部分もある文章を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
当時、自分自身もものすごく疲れるとともに、なんでこんな破天荒な対応をされたのか色々考えたのですが、結局理解できませんでした。義実家にも夫にも、この電話をするメリットが一切ないんですよね。

自分が義実家や夫の立場だったどうするか、当時からよく考えていました。
私であれば、不倫発覚当時の状況から考えられる最悪の二次トラブルを「犯行の詳細が広まることによる社会的信用の失墜」と仮定し、それを防ぐために「妻・周辺人物による口外を防ぐ」を第一優先事項とすると思います。
その場合、相手の怒り・恨みを増幅させるような行動はどう考えても悪手です。できるだけ刺激せず、嘘でも反省している風を装い、相手を納得させるしかないのではと思います。納得させずに表面的に解決しても、相手の怒りが鎮まらなかったらリスクを負ってでも立ち上がってくる可能性はあるので、それがどれだけ自分にとって致命傷になるかを考えて行動方針を決めるべきだと思います。

まあ義父に関しては、私に対して「可愛いお嫁ちゃん」みたいな妄想も抱いていたようですし、脅せば泣いて黙り、判子を押すだろうと単純に舐めていたのかなと思います。(私が本当に従っていたら脅迫罪に該当する可能性があるのでやめた方がいいです)
なお義父におかれましては、未だ本件について正式な謝罪をいただいておりませんので、いつでもお待ちしております!!

この後も、職場に今自分が置かれた状況をカミングアウトしたり、精神科に通ったり、依頼する弁護士を探したりと話は続いていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

noteをお読みいただきありがとうございます。♡を押していただけると大変励みになります!引き続き頑張って書き切りたいと思います。