株式シェア51%よりも重要なところを握る

例えば、日系企業が中国ローカル企業と合弁で事業を進める場合には、できるだけ51%以上の株式シェアを狙いに行くと思います。ルール上、日系企業側が合弁会社をコントロールすることを考えると当リ前の作戦だと普通は思います。

しかし(特に中国の場合には)株式シェア過半数より、もっと重要なことがあるのです。

それは、株式シェアに関係なく、合弁相手がこちらの言い分を聞かざるを得ない交渉力を握るということです。「こちらの言うことを聞かないなら、聞かないで別にいいですよ。その結果損するのは我々ではなく、あなた達ですよ」とこちらが言えるかどうかということです。別の言い方をすると、相手の金○を握れているかどうかということが、株式シェア過半数を握ること以上に大切なのです。

金○も握れていないのに、相手の利益や意思に反して「意見が異なる場合には、ルール上こちらの意見が優先されることになっているので、言う通りにしてもらいます」と言ったところで、その場はこちらの意見は通るかもしれませんが、「じゃあ、あなたとは離婚します」と相手に言われるか、形式的には渋々こちらの言うことを聞くフリをしながら、実際にはこちらの知らないところで、相手は相手自身の利益を追求する行動に出るだけなので、結果として合弁事業はうまくいかないのです。

自分への反省も込めて書くとすれば、日本人ビジネスマンは、「形式」よりももっと「本質」に向かい合うべきだと思います。

「形式を整える」という比較的簡単にできることと比べて、本質に向かい合うには勇気が要ります。しかも本質に拘り、本質的なことを実現するのはとても大変です。しかし本質にこそ最適解があるのです。本質から目をそらさずにチャレンジする者だけに、最適解が得られない場合でも、経験と自信を神様が与えてくれるのだと思います。

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