うちの猫とジェラシー
我が家のふわふわ系男子、とら君。
目の前で主人が転んで倒れていても知らん顔を決め込む、何事にも動じない大らかな男。
しかしそんな彼が嫉妬という意外な一面を見せることが起きたのである。
先日、子猫を飼い始めたという知人の家に行ってきた。見せてもらうとその子猫はまだ生後1ヶ月程の赤ちゃん猫だった。
とら君を我が家に迎え入れた時もこんなんだったなぁと懐かしくなる。
ちょこちょこと動き回る小さな命。おしぼりくらいしかない小さな体躯。抱きかかえると戸惑った様子でクンクンとこちらの匂いを嗅ぎ回る。子猫ってのはなんでこうも可愛いものなのか。人の家の猫だが思わず抱っこしながら頬ずりまでしてしまった。
すっかり子猫にメロメロにされて幸せ気分で家に帰ると、とら君がお出迎えをしてくれた。
おーよしよしと頭を撫でようとすると、何かに気づいたとら君。しきりに僕の手を嗅ぎまくる。次の瞬間、ガブリと手を甘噛みしてくるではないか。
手を洗って再びとら君の頭を撫でようとするも、どうも違和感が拭えないのか僕と距離を置こうとする。
「お前、よその猫に手を出してきたな」
「俺というものがありながら」
こちらの勝手な解釈だが、とら君はこんなことを思ってるのではないか。妬いてるのか。ジェラシーってやつか。普段つっけんどんな態度のくせに案外かわいいとこあるじゃないか。
それからまたしばらくしたらとら君の方からこちらへ寄ってくる。またいつものお得意のチュッチュペロペロをしてくれるのかなと思って抱き寄せてみる。
↑とら君、お得意の「チュッチュペロペロ」
いつもなら抱っこすると同時にすぐペロペロと始まるのだが、シャツの匂いをクンクンと嗅いでピタリと動きが止まる。
数秒後、いつもは胸元のあたりをペロペロとやるのがこの時は少しズラして鎖骨から肩のあたりをペロペロと舐め始めた。よその猫の匂いがする場所は嫌なのか、明らかに避けるようにペロペロと舐めていた。
今後は他の猫に触ることがあってもあまりベタベタ触らないようにしなくては。とら君は意外とやきもち焼きということが知れた日だった。これがツンデレってやつなのか。
しかしとら君、主人の浮気は許さないくせに自分にはずいぶんと甘いようで、我が家に訪れる来客にはすすんで絡みに行く。
特に女性の来客には積極的に絡んでいく。しっぽをプルプルとおっ立てて、猫なで声を出しながら。このスケベ。
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