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黄腹縁亀虫


黄腹縁亀虫 (キバラヘリカメムシ)


カメムシ目、ヘリカメムシ科


臭くないカメムシ。いや、むしろ良い匂いを
出すカメムシ。このカメムシが出す匂いとは
まるで青リンゴの様に爽やかな香りを放つ。
そう、臭いから、匂いへ、そして香りへと
表現が変わるのである。


実は、私自身がこのカメムシが初見でもあり
見つけた時には正体も知らなくて、青林檎香
の情報を持っていなかったので、その香りは
確認できていない。だがしかし、これがいた
場所は頭に入っているので、次回はツンツン
してフレグランスリポートをしようと思う。
 

この美しいカメムシはまだ幼体。蛍光レモン
色の全体基調に触覚・頭部・羽部にブラック
カラーを、脚の部分にはホワイトがポイント
的に配置される。


このカラーリング、サッカーのユニフォーム
やレーシングカーなどに展開すれば成り立つ
なと眺めながらデザインの良さに感心する。


大人になると羽が大きくなって、蛍光レモン
色の部分は隠されてしまう。なので幼体の時
のカラーフォルムの魅力は半減してしまう。


この虫に取り憑かれてるのは真弓(マユミ)
という植物。このシチュエーションは正に
「マユミに悪い虫がついたって知ってた?」
みたいなドラマの中のセリフの様な状況。


ニシキギ科の植物に取り憑くということから
これら植物の実自体が収穫物対象になっては
いない為、農業界には大きな被害にも及ばぬ
判断から害虫駆除の対象とはなっていない。


撮影する側からすれば、ほぼほぼじっとして
撮影しやすい、優秀なモデルさんなのである。


一般のカメムシはあの臭い刺激によって鳥類
に襲われないのだが、こんな良い香りをさせ
大丈夫なのだろうか?でも、このカメムシは
たくさん発生していた事から何かしら裏の手
を持っているのだろう。



和名 黄腹縁亀虫 (キバラヘリカメムシ)
学名 プリナチタス ピコロリプス
   (PLINACHTUS BICOLORIPES)
分類 カメムシ目、ヘリカメムシ科
時期 4〜11月
生息 日本全国 (北海道〜沖縄)
食性 ニシキギ科全般
   錦木 (ニシキギ)
   真弓 (マユミ)
   小真弓 (コマユミ)
   蔓梅擬 (ツルウメモドキ)
撮影 兵庫県川西市、某宅の植込

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