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八手


八手 (ヤツデ)


セリ目、ウコギ科、ヤツデ属の常緑低木。


分厚いその葉は、掌状に大きく裂けた形状の
大型のものであり、葉の大きさは縦横ともに
40cmほどの大きさのものとなる。


この八手の名称は、その裂け目による裂数が
八つに分かれるからなのかしら?と、実際に
私の家の周りに生えている葉を調べてみると
ほぼ九つが多い結果となった。


その裂数の数え方も、分裂してるそれぞれを
カウントするよりも太い葉脈を数えてやる方
が実は楽ちんなのも分かった事なのである。


各種文献を見てみると、少ないもので五裂に
多いものは九裂になるものだという。そして
ヤツデのこの葉の裂数は、奇数になるもので
八つのものはないのだと解説がある。何故に
八の数が名称に使われたかであるが、他でも
八百万ノ神(ヤオヨロズノカミ)や、八百屋
(ヤオヤ)の様に、数の多い事を表す表記に
八の字が使われた事や、末広がりの縁起良い
数字として使われたものとなっている。




その昔は、日陰を好んで葉がわんさかと茂り
樹高が5mまでに伸びる事から家屋に日陰を
作る植物であり、また見た目に良くない植物
であるからと縁起の悪いものとして一般家庭
に植えてはならない植物との迷信が拡がった
闇の歴史もある。


逆に今では、縁起の良い植物との見方の方が
多いものであり、それは名称に現れている。


八手の八は、末広がりを形どる数字であって
未来永劫、子孫繁栄にも直結したものであり
掌型のその葉には財産をかき集める手として
縁起良いと、『巨万の富』の花言葉もつく。


天狗ノ羽団扇の別名は、言葉通りあの天狗が
風を巻き起こす為の団扇の事であり、巨大で
分厚く力強いこの葉は、邪気や妖魔を飛ばす
厄除けの葉の象徴でもある。この葉に触れて
見るとその分厚さたるや、あのモンステラや
クワズイモに匹敵するものである。


台風王国の我らが住む和の国に於いて、強風
や大雨に見舞われるのにも全くへこたれる事
なく八手は平気な顔である。葉の裂部が強風
と大雨を逃がす構造になっていてだから強い
植物なのである。そんな台風をものともせず
闘う植物ゆえ、龍ノ歯(リュウノハ)の別名
もついている。


周りの人がネガティブな事を言うから植えず
にいたところもあるだろうが、実際には鑑賞
価値の高い縁起物の植物なのがこれで分かる
ことと思う。


この八手には可愛い花が咲く。白いポアポア
なその花のカタチがユニークでキュートでも
ある。会社に向かうバス停の近くへと早めに
着くとその近所に生える八手の姿を眺めては
季節折々の表情を楽しみ得した気分になる。


この植物は生花でも使われており、やはり美しい。
写真のものは開花前の蕾のものとなる。


その可愛い花が終わると今度は真っ黒な実が
成る。これもまた我々の目を楽しませる。



この植物は芸術的な鑑賞価値も高い事から
権威ある『英国王立園芸協会』の優秀庭園賞 (GARDEN EXCELLENCE AWARD)を受賞
もしている植物なのである。


学名についているのは、ファチアジャポニカ
(FATSIA JAPONICA)。日本の固有種として
認められた植物なのである。我々は日本代表
のこの植物をもっと大切に扱わねばいけない。


和名 八手 (ヤツデ)
   天狗ノ羽団扇 (テングノハウチワ)
   龍ノ歯 (リュウノハ)
洋名 ペーパープラント (PAPER PLANT)
   ファトシア (FATSIA)
学名 ファトシア ジャポニカ
   (FATSIA JAPONICA)
分類 セリ目、ウコギ科、ヤツデ属
種類 多年生常緑低木
草丈 1〜5m
開花 秋
花色 白
花径 5mm
原産 日本
言葉 巨万の富
   健康
   親しみ
   分別
撮影 兵庫県いけばな展

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ジャイアント リーフ プランツ

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