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ニイニイゼミ


蝉姑 (ニイニイゼミ)


カメムシ目、セミ科、ニイニイゼミ属


関西圏内の大阪の都市部ではまず見かけぬ
小型の蝉(セミ)である。


写真のものは抜け殻となる。ニイニイゼミ
のこの抜殻は、とても小さくて可愛らしい
サイズのもので、クマゼミやアブラゼミの
ものと比べると四分の一程度の大きさしか
ない。


このセミの抜殻を見るとわかる様に泥被り
のものを見かける。


このニイニイゼミの親は、卵を産みつける
場所は、湖、池、沼、小川など、水辺付近
の樹木となっている。


小型のセミなので土を掘り返す前脚の負担
が水辺の土だと柔らかくて楽なのと、他の
セミの殻よりも装甲の薄いそれには表面に
細かい毛が生えており、泥が付着しやすい
構造となっている。それゆえに、泥を装甲
の補強にする事で土中の他からの攻撃への
防衛対策となっているのである。全体には
泥を被っているが、唯一その泥が付着せぬ
構造となっているのが目の部分である。


これは土中での生活中は暗闇の環境なので
そこでは何の役にも立っていない。地上に
出てきて、脱皮をする時用の透明ゴーグル
となっている。


ニイニイゼミは、樹木の中でも低い場所を
選んで止まっては、チューチューと樹液を
吸う。出来るだけ目立たずに天敵の目にも
とまらない様に地味に生き、鳴き声も大型
のセミの煩さと違い、チーチー、ジージー
と小さめの声で鳴く。


水辺近くを散策したら、この小さめの抜殻
に会えるかも知れない。


『閑さや岩にしみ入る蝉の声』


松尾芭蕉が、元禄2年5月27日に詠った
有名な句であるが、これは太陽暦に直すと
1986年7月13日となるものであり
これに詠まれた蝉の種類について論争問題
にまで発展したもの。山形県で謳われた句
である事や、詠んだ日付からニイニイゼミ
がこの句の蝉であると特定されたのである。





和名 蝉姑 (ニイニイゼミ)
学名 プラティプレウラ カエムプフェリ
   (PLATYPLEURA KAEMPFERI)
分類 カメムシ目、ヨコバイ亜目、
   セミ上科、セミ科、セミ亜科、
   ニイニイゼミ属、ニイニイゼミ種
種類 セミ類
全長 20〜25mm
分布 日本(北海道〜沖縄)
   朝鮮、中国、台湾
出現 6〜8月 (成虫)

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これら写真は過去に撮影したもの。

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