熊蝉
熊蝉 (クマゼミ)
カメムシ目、セミ科、クマゼミ属の昆虫。
真っ黒な大型のボディに、透明な羽、その羽には
グリーンのアクセントカラーが走っている美しい
セミである。腹部を覗いてみるとオスのそこには
オレンジカラーの腹弁が見え、この部分がオスの
鳴き声を増幅させる機構部分となっている。
元々、クマゼミは西日本を中心に生息していたが
地球温暖化などが原因となり、日本本州でもその
数は増加の一途をたどり、本来ならばアブラゼミ
の天下だったのが、完全に勢力図が変わった感が
ある。昔はクマゼミを捕まえただけでもヒーロー
だった時代もあったのである。いかつくて黒光を
しているのが少年たちのハートを熱くさせた。
それが、今ではもう当たり前の様にゴロゴロと
いて、昔のありがたみなどはどこかの空の彼方へ
飛んでいってしまった。オシッコを掛けながら…
セミが飛び立つ時にするあのオシッコは、普通に
木から木へと飛ぶ時にはしていないのが分かる。
せっかく体内に取り込んだ樹液なのである為で、
ではわれわれが捕まえようとする時に何故にあの
オシッコをするのかであるが、我々が捕まえよう
としているのに気付き、ビックリしてオシッコを
漏らしてしまうのと、少しでも身体を軽くする事
で危機を回避するためだとの二つの説がある。
でも、実際に低いところで私はサッと手づかみで
クマゼミを捕まえるが、その時にオシッコをした
試しがない。という事は、前述のビックリした為
オシッコをする訳ではなく、外敵から逃げる時に
体重を減らす目的と、それを掛る事での危険回避
の目的というのが正しいところであろう。
何でもかんでも書いてある事が必ずしも正しい事
だとは限らない。裏をとる事も大切な事だと私は
思っている。
さて、もうひとつクマゼミは、インターネットが
急激に普及してきた時に、光ファイバーケーブル
に甚大な被害をもたらした事は有名な話である。
クマゼミのメスは、卵を産みつける太い産卵管を
持っていて、それは樹木の太い幹などではなくて
細い小枝に卵を産みつける。それがまさに通信用
光ファイバーケーブルに太さもだが固さも似てる
事から産卵に適した枝だと間違え卵を産み付ける
被害が発生したのである。これにより2005年
当初、傷ついた光ファイバケーブルが原因となり
インターネットや電話の通信障害が発生すると
いう事態にまでなったのである。
クマゼミのメスが産卵するのは実は枯れ枝であり
生の枝には卵を産まないという性質を持っている。
これを利用して光ファイバーを被覆する表層材の
その固さを変更する事より生木の固さを再現でき
この厄介な問題は無事に解決をしたのである。
和名 熊蝉 (クマゼミ)
洋名 ブラック シカダ
(BLACK CICADA)
学名 クリプトティンパナ ファシアリス
(CRYPTOTYMPANA FACIALIS)
分類 カメムシ目、セミ科、クマゼミ属
種類 セミ類
全長 60〜70mm
生息 日本(南関東以西〜九州)
出現 7〜9月
撮影 大阪、兵庫、各所にて
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