毎週ショートショートnote~お題【記憶冷凍】嘆きの斎藤<前編>
「記憶銀行」
記憶を冷凍して保管することができる銀行だ
新しいモノ好きの斎藤は興味があった
「悲しい記憶を忘れたいお客様にご利用いただき、大変好評をいただいております。」
払えない金額ではない
「わかった。試してみよう」
記憶銀行から届いた封筒を開けた
「斎藤様 記録No.F25690」
俺の預けた記憶とは何だったのだろう?気になって夜も寝れなくなった。
「記憶を解凍したいのですが」
「わかりました。記憶の解凍は2億円です」
「ふざけるな!そんな金額払えるか!」
「ビジネスでございます」
俺は記憶を取り戻すべく、昼夜も問わす汗水流して働いた。会社を辞めて起業し金儲けに専念した。人は忘れたい記憶に背を向けて生きてはいけない。
10年後、俺は死ぬ思いで2億を稼いだ
「記憶を解凍しろ!お前らの銀行はもう2度と利用しない」
「いえ・・もう一度ご利用されると思います」
※記録No.F25690
「花ちゃんに書いたラブレターが、教室の掲示板に貼られていた」
(410文字)
※後編もありますので、よかったら読んでください
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