レトルト三角関係 #毎週ショートショートnote
僕は学生時代の友人が経営する雑貨店にぶらぶら出入りしていた
今日は怒ってます。
「愛のレトルトパック買ったら何も入ってなかったよ!」
「まぁ、そういうものよ」
彼女が次におススメしてくれたのは、恋のレトルトパックだった。
「これなら大丈夫。温めてから食べてね」
「これ食べ物なの?」
「温めすぎると火傷するから、ほどほどにね」
「どんな味がするの?」
「甘酸っぱいとか、ほろ苦いとか様々よ」
「いくらするの?」
「サービスで5万円にしとく」
「そんなに払えない」
「じゃぁーダメね」と取り上げられた
「いいかげんにしろよ!恋も愛もお金で買えないだろ!」
「あら、買おうとしてたじゃない?
恋も愛もお金で買えないかもしれないけど、お金がないと全てを失うのよ」
・・僕は実体のない虚像に何を求めていたんだろう
今の僕にはどちらも手に入れる資格は無い。
何も言えず、店を出ようとすると、彼女に呼び止められた
「次の仕事が見つかるまで、ウチの店手伝ってくれない?」
(410文字以内)
お題【レトルト三角関係】・魅力的な主人公を登場させる
#毎週ショートショートnote
#ショートショート
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】初参加させていただきました。
先月からnoteを始めて、フォローした人がやっていたショートショートの企画が面白そうだから試してみると・・
今まで日記や体験談しか書いたことがなかったので、架空の世界でキャラクターを動かすのは初めてです。
ショートショートを読んだら簡単そうで、誰にでもできるように見えるかもしれませんが、実際は非常に難しいです。
背景を入れたら文字数オーバーになるし、簡素化したら繋がりの無い、しっちゃかめっちゃかなストーリーに。
何を書くかでなく、何を省くかの勝負ですね。真のメッセージだけを残し、それ以外を極限にそぎ落とす。
他の参加者さんは何を書いてるのか、いくつか読んでみると、410文字程度の文章で、小宇宙の様な世界を作って、登場人物が生き生きと喋っています。
うわーこれは、私にはまだ無理だわ。
今回は、扉絵でシチュエーションを説明をする”禁じ手”を使わせてもらいました。