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死ぬまでこのまんま

35を過ぎたあたりから、確実にマインドが変わったことがある。
それは、自分は一生このままなんだろうなと思う部分がわかってきたことだ。

20代の頃は、自分というのはこれからどんどん変わる可能性があると思っていた。18歳の自分と、28歳の自分って本当に別人のように変わった。絶対できないと思っていたことができるようになっていたり、想像もつかないことが毎日起きて、転がる石のように形を変えながら思いもよらない方向に進んでいた。

それが、28から38はどうだったろうか。姿形はほとんど変わっておらず、伸び率が鈍化した。新しいことは日々起きているけど、それが人生に影響を与えたかというとそれほどでもない。仕事のスキルはアップしたが、想像の範囲内でしかない。何だか変わらない毎日に、もうずっとこのままなのかな。。という思いを抱いたりした。

しかし35を過ぎて人生折り返しに近づき、どんなに変化しても変わらなかった部分がはっきりしてきたのだ。例えば、やや子供っぽい性格。昔は大人になれば大人っぽくなるのかと思っていたが、多分これ一生このまんまだな?とわかってきた。

それから、自分が居心地のいい人たち。学校や会社などその場その場で仲良くしていたけど、人生が進むにつれて離れていった人間関係もある。でも、この人とは、根本的な部分で波長が合うんだろうなというものもはっきりしてきた。

私はこれといってアイデンティティになるようなものもなく、あまり自分というものがないままここまで来た。周りから受ける評価と自覚する自己像がずれていて、曖昧な自己像しか描けなかった。褒められても批判されても何だか的外れなような気がして、これが私、と言える核がなかった。

しかし、変わらない部分がわかってきたことで、自己像がくっきりし始めた。朝型になれないのも私。体力ないのも私。体力あってバリバリ働くキャリアウーマンは諦めたし、おしゃべり上手な人にもなれないなー。でも聞くのは得意だし、おしゃれな服は似合わなくてもゆるいの着せたらめっちゃ似合うじゃん!

若い頃はみんな同じように見えていた部分が、年を重ねると個性が見えてくる。もしかして30〜40代って、一番みんな「個」が強くなる時期で、面白い年代なんじゃないか?

子供の頃はあまり差のない世界を生きており、次第に「個」が強くなり、年をとると、またみんな同じ場所に戻っていくような気がする。

35を過ぎてから、他人から受ける評価が自分だということがすんなり腑に落ちるようになってきた。もっというと、批判が気にならなくなり、肯定の言葉しか耳に入らなくなってきた。

「大人になったら注意してくれる人がいなくなる」とよく言われるが、注意されたところで変われないということがわかってきて、だったら注意の言葉なんて意味ないな、と思うようになった。「こういうところがダメ」を受け入れようと思ったら、変わらないといけない。でももう変わらないんだから、聞いたところでそうですか。。としか言えないのだ。もう40年も自分の正義に従って生きているのだから。

「年甲斐もなく」と言われても、「そうですね」と胸を張るのだ。



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