沢山のものをつくりたい。
最近、何を残せるのか、ずっと考えている。
誰かに看取られる最期を考えるようになった。
家族が欲しくなった。
日々の仕事に誇りがある。
その仕事が、おれがいないと生まれないものなのか、疑問を持つようになった。
昔から不器用で、何かに向かうと、何かが疎かになった。
そんな自分にとって、仕事は打ち込める希望でもあり、たくさんのことを捨てる口実にもなっていった。
仕事をしていないときの自分が嫌いだった。
そんなタイミングで、今の仕事に疑問をもったとき、逃げ場がなくなって、このままじゃ生きれない、と思った。
先日友達のような同僚に言われた。
「自分に子どもが生まれたら、その彼や彼女が世の中に残していくものは、自分だけが残す何かよりずっと多いはず」
正しいとか、そんなのはないけど、大きな道のひとつだと、本当に思った。
最近、昔から知っていた、ある曲を聴いた。
ひとりのデザイナーの経歴をそのまま歌詞にした、人生のような曲。
たくさんのことを始めて辞めて、出会って別れて、結婚して子どもが生まれて離婚して、子どもを育てて、ものを作る。
尊い曲で、かけがえのない人生だと思った。
これまで、何かをやるために、何かを捨てるような人生だったし、これからもそういう生き方しかできないのかな、と感じている。
それなら、ひとつずつやればいいと思った。
どれかを頑張って、何かをいったん忘れてもいい。
幸いにも、周りにはそれを待ってくれる人ばかりだと思う。
誰かの心を打つような、自分がいたことで誰かが歩む道が変わるような。
そんな人生は歩めるだろうか、今からでも。
沢山のものをつくりたい。
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