見出し画像

16 「わたしメッセージ」ゴードン博士の「親業」で出会う博士の言葉

ゴードン博士のご著書「親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」(大和書房)から、私が1人の親として、また「親業」のトレーニングのインストラクターとして、気づきや感動した文章をシリーズでご紹介しています。

「イターイ!あーあ、痛かったー蹴られるのはイヤだなあ」「悪い子ね。そんなふうに人のことを蹴ったらダメじゃないの」
はじめのメッセージは、単に子供が蹴るとあなたがどう感じるかを述べただけで、子供のほうに異存のあるはずのない事実を示している。2番目は、子供は、「悪い子」で、そういうことを繰り返さないようにと子供に警告しているが、そのどちらも子供のほうで反対をとなえる余地があり、子供が強く抵抗を感じよう。

「わたしメッセージ」は、子供の行動を変えていくのを子供自身の責任で行わせるのだから、無限の効果をもつ。「イターイ!あーあ、痛かった」と「蹴られるのはイヤだなあ」とで、自分がどう感じているかを子供に伝えるが、それについてなにかをする責任は子供に委ねてある。

その結果「わたしメッセージ」は子供が成長するのを助け、自分の行動に責任を持つことを学ばせる。「わたしメッセージ」が子供に伝えるのは、子供に責任を持たせていること、子供が状況を建設的に取り扱えるとあなたが信じていること、あなたの欲求を子供が尊重してくれると思っていること、建設的に行動する機会を子供に与えていること、などだ。(第5章P112)


この「あなたメッセージ」と「わたしメッセージ」の違いはとても大きいことを実感しています。誰でも「あなたが悪い」「あなたが間違っている」と非難されたら、大人でも抵抗や反発を感じます。

なので、普通大人にはこのような言い方をしないように配慮することことが多いのに、なぜ子どもには平気で非難したり、責めたりするような言い方になってしまうのか?

要は、親や大人は子供は言われなければやらないし、思いやりもないと信頼していないのだと思います。

私が長女との関係を壊した大きなきっかけが、彼女が高校生になった途端に帰宅時間を守らなくなったことでした。私は心配でなんとかしなければと、遅く帰る度に「何時だと思ってるの!いい加減にしなさいよ!補導でもされたらどうするの!」とあなたメッセージで怒りをぶつけていました。

その言い方で私が心配していることが伝わっていると思っていました。

親業で初めてわたしメッセージを学んだときには、衝撃を受けました。学んだ構文に当てはめて、わたしメッセージを作ってみたら「あなたの帰りが連絡もなし遅いと、事故にあったんじゃないか、何か事件に巻き込まれたんじゃないかと悪いことばかり考えて、家事も手につかないし、本当に心配してるのよ!」

伝わり方が全く違うことに気がついて愕然としたことを今でも覚えています。


ホームページ・face book・ブログ
公式LINE



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?