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22 「親の権威?権力?」ゴードン博士の「親業」で出会う博士の言葉

ゴードン博士のご著書「親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」(大和書房)から、私が1人の親として、また「親業」のトレーニングのインストラクターとして、気づきや感動した文章をシリーズでご紹介しています。

親は権威を持って子供を扱うべきであると言う考え方が現在まで頑固に信じられてきたために、親が子供を育てる方法やおとなが子供を扱う方法が、何世紀もの間、改革、改善されずにきてしまった。なぜこの考え方が今日まで続いてきたかその理由の1つには、権威とは実際何であるか、権威が子供に与える影響は何かを、親が理解していないことがあるのではないか。親は誰でも簡単に権威を口にするが、それが何であるかを定義できる人、あるいは、権威はなに由来するかを明確に説明できる人は数少ない。(第8章 P152)

権力行使に伴って派生するものの多くは親子関係にとって不幸なものである。子供は親からの「従順訓練」を受けた結果、臆病で、恐怖心が強く、神経質になる。訓練担当者に対しては、敵意と復讐心を向けるようになり、また、自分にとって不快で困難な行動について学習するストレスから、心身ともにだめになってしまうことがある。権力の行使は多くの有害な影響がでるし、動物ー子供もーその調教師にとってもリスクは大きい。(第8章 P155)

青年は親自身に反逆しているのではない。親のもつ「権力」に反逆しているのだ。幼いときからの権力を使わずに親の影響力を及ぼすようにしていたら、その子が青年期に入っても、家庭内では反逆する対象がないことになる。以上のように、子供の行動を変えるために権力を使うことには大きな限界がある。(第8章P157)



親の権威、上司の権威、医者の権威など、力のある人に使うこの言葉には、辞書を引くと権力の意味も載っています。

私が義理の娘と信頼関係を築けなかった原因の一つには「私は大人だし、さまざまな経験もしたし、子どもよりもずっと知識や経験があるのだから、私の言うことの方が正しいし、私の言うことに従うのが当然だ」という思い込みがあったことだと、後に反省しました。まさに、相手に影響を与えるオーソリティの権威ではなく、パワーの権威=権力を使ったのだということを学んで初めて気がつきました。

私としては、オーソリティのつもりで、一生懸命でしたが、コミュニケーションの取り方が一方的なために、娘はパワハラだと感じでいたのだと思います。

これは上司と部下の関係でも同じことが言えると思います。パワハラをする上司はパワーを使っているという自覚がないことが多いのも同じ理屈だと思います。


虐待が事件として報道されるとき、「しつけとしてやった」という親の側の発言をよく聞きますが、子どもに対する暴力も親としては自分がしていることが正しいという思い込みが根底にあるのだと思います。同時に、親自身も自分の親から権力で育てられたことで、その方法しか知らないのだろうなとも感じています。

そんな方達にも「親業」が届くことを願っています。


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