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17 「肯定的なわたしメッセージ」ゴードン博士の「親業」で出会う博士の言葉

ゴードン博士のご著書「親業 子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方」(大和書房)から、私が1人の親として、また「親業」のトレーニングのインストラクターとして、気づきや感動した文章をシリーズでご紹介しています。

多くの親がはじめにおかしやすい過ちを彼もしていたーー悪口を告げるメッセージに「・・・と私は思う」をくっつけて、仮面をかぶせて「あなたメッセージ」を送ったのだ。

訓練を受けたばかりの親がよくやるもう一つの過ちは、自分の否定的感情は「わたしメッセージ」で伝えるが、肯定的感情を「わたしメッセージ」で送るの送るのを忘れてしまうことである。

私たちはもっと基本的なことを子供に伝えるチャンスを逃してしまっている。たとえば、子供を大変に愛している、とか、子供が傷ついたり死んだりしたら、この上なくつらいことなどを。
(第6章 P119〜121)


3部構成のわたしメッセージは、親から見て子どもの困った行動や変えてほしい行動に対して効果的な伝え方ですが、学びたてのころは陥りやすい誤りをおかします。

私を主語にすればよいのだと勘違いして「〜と私は思うよ」の「〜」の部分に子どもを否定する言葉を入れて、わたしメッセージにしてしまうことがあります。

例えば、「あなたが約束を破るのは無責任だと思うよ」のような言い方です。確かに主語は私ですが、伝わる内容は「約束を破るあなたは無責任」と相手を責めている「あなたメッセージ」です。

「わたしメッセージ」だと、「約束したことが守られなくて私はがっかりしたわ」のような率直な感情の伝え方になります。

私も学びたての頃に、当時小学生だった息子に否定的なわたしメッセージだけを伝えた思い出があります。


息子が炬燵の中で汚れた靴下を脱いだままにしていて、洗濯をし損なうことがあり、わたしメッセージを何度か伝えたことがありました。

1度目と2度目は素直に「ごめん」と言って、自分で洗濯カゴに靴下を入れて、行動を変えてくれました。

定着したと思った頃に、同じ行動があり、3度目の「わたしメッセージ」を伝えたところ、反発されたのです。

「お母さんは僕がやらない時ばかり、しつこく言うんだね」と・・・。

確かに、忘れた回数よりずっと多く、靴下を洗濯カゴに自分で入れてくれていました。その時には「ありがとう」も言わず、何も声かけせずにいたのです。

とても反省し、それからは入れてくれたことに注目し「忘れずに入れてくれたのね。助かるわ。ありがとう」と肯定的な感情表現を伝えることにしました。

結果は、靴下は洗濯カゴに入れるという行動が定着したのです。親は子どものためを思って、できないことをできるようにということことに目が向きがちですが、できていることを当たり前と思わずに目を向け、肯定的な感情を伝えることが大切だと実感したできごとでした。

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