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どうせいつか終わる

"どうせ"と言う言葉は好きではなかった。
全てにおいて諦めている気がして。気力がなさそうで。
けれど、
どうせいつかは辞める会社だし、
どうせいつかは死ぬんだし、
どうせ全部終わるんだよね。
って考えたら、前向きに笑顔になれる時もあって。
少し律儀に考えすぎてたな、
真面目に生きすぎてたな、と肩の荷がおりた気がした。

先週のある夜、わたしの相棒とも呼べる大切な人から
泣きながら電話がかかってきた。
最早電話からは泣き声だけが聞こえていた。
でも「消えたい」ってそれだけは確かに言葉として
わたしの耳に届いた。
すぐに駆けつけた。大好きな笑顔の印象とはかけ離れた
彼女がそこに居て。
ぎゅってしたら全部背負ってあげられる気がしたけど、
全然そんなことなくて。
それでも彼女は一緒にいてくれてありがとうって微かに
笑ってくれていたな。

「どうせ全部終わるって分かってるのにね」

わたしたちはどうやら今を生きていて
それが全てで。
嫌いな人もいつか死ぬし、
今悩んでいることなんてきっと3年後には忘れているし、
それでも今が全てで、精一杯。

でも、どうせ大したことないよ、
あなたにはわたしがいるよ、
苦しいなら一緒に手を繋いで逃げ出そう?
責任も批判もそんなのどうせわたしたちには響かないよ。
だから逃げた先で笑ってやろうよ、
他人に精神左右されてたまるかよって。


どうせ終わる今をみんな、
生きていけますように。

どうせ全部消えるからこそ愛しく思えますように、日々。

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