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詩/ひとくち

小さい頃からそれを上手に食べきった試しなんかない。
口に含みすぎれば、きぃんと頭に響くし舌は痺れる。
とはいえ少なければあっさりと口の中で溶けきってしまい物足りない。

その加減が、どうにも不器用な自分には難しい。

けれども、その甘さに。
舌の痺れもおさまらぬうちに、また大きすぎるひと口を口へ運ぶのだ。

ベタつく口元を拭う僕を見て、まるでお前の下手なキスと同じだと君は笑った。

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かき氷をイメージして暫く前に書いたものを、頭を悩ませながらセルフリメイク。

こういうのって、散々に悩んだつもりでも投稿してから「やっぱりこっちの方が良くない!?」って思いついて頭を抱える事があるんだけど、きっとさっきよりちょっと進歩した結果だと思いたい。

ちなみにゆんはマジでかき氷食べるのが下手です。
後、甘すぎて全部食べれません。

大きすぎるひと口って文章を書きながら、昔、一口(いもあらい)って読む事を初めて知った時に、芋を一口で口に入れられるくらい大きい口なのかなって思った事を思い出したやつ。

実際は出入口が1箇所にしかないから「芋の子を洗うように混雑する」ことが由来とか、地名の一口だと天然痘(昔はいもって言われてた)を治すために洗う池の出入口が1箇所しかなかったとか、色んな由来があるらしい。

日本語って本当に謎。
好きだけどね、そういうところ。

もし本当に芋がまるっと入っちゃうくらい大きなお口があるなら、確かにキスは大変そう。

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