物事には「光」と「影」がある。光が当たって見えている部分と、影になって見えない部分と。今日の夜空に浮かぶ月の形が、半月であろうと三日月であろうと、月の本当の形は球体だ。たまたま月と太陽と地球の位置関係で、半月だったり三日月に見えるだけで、月はいつだって球体なのだ。影の部分は見えないけど、見えないだけでちゃんと存在する。

同じことは人間にも言える。人は、目に見える「光」の部分と、目に見えない「影」の部分を併せ持つ。普通はその人の「光」の部分しか見ていない。それしか見えないから。でも、「光」の部分だけがその人の全てじゃない。人には見せない「影」の部分を持っている。むしろその人の本質は、目では見えない「影」の部分にあるのではないか。

「影」の部分にあるのは、その人の弱い部分かもしれない。恥ずかしくて、人に見せられないような。でも、人の弱い部分こそ、一番愛おしいものだったりする。

人は長所で好かれ、欠点によって愛される。(F/『真夜中乙女戦争』)

「影」の部分は暗くて目では見えないけど、「心の目」でなら見ることができるかもしれない。五感と、脳みそと、心を研ぎ澄ませれば、暗闇に包まれた「影」の中に何かを見いだせるかもしれない。


僕は、あなたを「心の目」で見つめたい。

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