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いま、ここの、幸せの記憶

今回の誕生日はモノより思い出ということにして、有給休暇を取って、思いっきり遊ぶことにした。

早朝6時、Anycaでオーナーに自宅近くまで来てもらって、白のレクサスを借りる。まず向かった先は中目黒。

先日、2019年に行ったスターバックス・リザーブ・ロースタリー東京の写真をトップ写真にしたnoteを投稿した。その記事を振り返っていたのだが、気がついたら、記事の内容ではなく、その写真の方に目を奪われていた。

あのロースタリーにいたときの自分の感覚がよみがえってきて、居ても立っても居られなくなった。また、あの心地よい香り、味覚、騒音、空間に包まれたい。そう思って、車を走らせて、朝っぱらから来てしまった。

平日の早朝だからか、あいにくの雨だからか、ほとんど誰もいない。まるで自分の家のようにくつろぐ。頼んだのは、バレル エイジド スチーマー。ウイスキー樽の中でエイジングしたコーヒー豆から抽出したコールドブリューがベースになっている。

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スチームして生クリームをフロートさせているため、ウィスキーとコーヒーの香りが閉じ込められて、いつまでも香りが際立っていた。

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いま、ここで、1年前のあの時と同じ騒音と空間に包まれながら、まるでアイリッシュコーヒーでも飲んでいるかのような感覚で、ちびちびと、心地よい香りと味覚をあじわっていた。

ロースタリーのあとは、思い出のレストラン「TERAKOYA」へ車を走らせる。過去の思い出が次から次へとよみがえる。しかし、ここは二度と同じメニューは出てこない、一期一会のフランス料理のお店。常に新しい出会いが、そこにはある。

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レストランに到着したときは、まだ雨が降っていたが、3つの前菜が終わる頃には、雲の隙間から太陽が見え、窓から陽が差し込んできた。

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鮮やかな色彩で彩られたプレートが、さらに鮮やかを増して映し出された。

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五感全てに訴えかけてくる儚い芸術作品。あっという間の3時間だった。

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晴れて暖かくなってきた庭に狸が現れ、陽に当たってくつろいでいた。

何と優雅で贅沢な時間の使い方だろう。過去と現在がつながる。昔も全く同じだった。ここに来ると時間を忘れてしまう。きっと未来も、また特別な日に、この変わらない優雅さと、新たな体験を求めて、ここにやってくるのだろう。

ロースタリーに行って癒され、TERAKOYAに行ってフレンチを堪能し、もうこれで十分なぐらいに素晴らしい誕生日になったのだけれど、今回はさらにイベントを用意していた。ワクワクが止まらない。

そのまま中央道に乗り、甲府まで車を走らせる。甲府盆地を富士山をバックにして一望にできる「やまなしフルーツ温泉ぷくぷく」まで坂を登り続けた。フルーツ公園のなかにあるのだが、子供の頃、よく親に連れられて遊びに来ていたのを思い出す。

雨のおかげで空気がスッキリしていて、街並みがクリアに見えた。温泉に着いたのは、ちょうど夕焼け時。人はほとんどおらず、ほぼ独り占め状態の露天風呂に浸かりながら、景色が時々刻々と変わっていくのを眺めていた。

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幸せって何だろう、こういう時間の使い方のことをいうのかな、人間は記憶で生きているのかな、とかどうでもいいことを考えつつ、時間を気にせずに、ゆっくりと時が過ぎるのを、愉しんでいた。そういえば、目の前にみえるフルーツパーク富士屋ホテルにも、親と泊まりに来たっけ、とか思い出しながら。

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温泉を満喫したあとは、帰路「やぶそば利久」に寄って、鳥もつそばセットを頂く。醤油ベースで甘辛く味付けし、照りが出るまで煮詰めた鳥の砂肝やハツやレバー。こげ具合が最高で、箸が全く止まらなかった。

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心も体も満たされて、ガラガラの中央道をすっ飛ばして、日付の変わる頃に帰宅。

朝6時から思いっきり遊び続けた一日。過去の思い出がたくさんよみがえってきて楽しかったし、いま、ここで、新たにたくさんの素晴らしい思い出を作ることもできた。今までこんなに幸せな誕生日はなかっただろうと思う。

来年の誕生日も、これを超えるぐらいの一日にしたいと思っているけれど、来年のそのとき、今回の誕生日はどんな風にしてよみがえってくるのだろう。いまから、とても楽しみだ。

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