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りんごひとつでパリを驚かせたい

ものすごく純粋な思いが詰まっている気がする言葉だ。

この言葉は、後期印象派を代表する画家 ポール・セザンヌの名言だ。

ポール・セザンヌは、フランスの画家。
当初はクロード・モネやピエール=オーギュスト・ルノワールらとともに印象派のグループの一員として活動していたが、1880年代からグループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求した。
ポスト印象派の画家として紹介されることが多く、キュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えたことから、しばしば「近代絵画の父」として言及される。
wikipediaより

一般的な人ならば、「私の描いた作品で世界を驚かせたい。」くらいに言うのではないだろうか。
そこをセザンヌは、りんごという対象に絞っている。
ものすごいこだわりが感じられる言葉である。
セザンヌは頑固者だったと言われているが、りんごというイメージの柔らかさが彼のイメージそのものをも中和させている気もする。

セザンヌは、生涯で制作した200点の静物画のうち、60点以上の作品にりんごを描いている。
また、少年時代にいじめられていた小説家ゾラを助け、そのお礼にゾラから籠いっぱいのりんごを贈られるというエピソードも残っているようだ。


りんごとオレンジ オルセー美術館

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お皿を見ると、複数の視点から描かれていることが分かるだろう。


ピカソが制作したキュビスムの傑作「アヴィニョンの娘たち」は、複数の視点から同時に見た姿を描くというセザンヌの手法をさらに推し進めた作品だと言われている。
ピカソはセザンヌを「私たち全員の父」と呼んだそう。
セザンヌはパリどころか世界を驚かせた人物になった。


わたしはセザンヌの作品が好きだ。
それと同じくらいこの名言が好きだ。

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