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写真と動画と映像 -それぞれの違いとは?-

 皆さんこんにちは!
 Efiic編集部通称ワタクシです!

 このnoteが始まって以来、最も哲学的な問い -写真と動画と映像 -それぞれの違いとは?- というテーマを扱います。
 今回の記事は、普段「動画クリエイター」として仕事をしているワタクシが、自分自身の肩書きとして表現している「動画」という言葉が果たして本当に「動画」を指すのか、それとも「動画」と表現しているものが「映像」なのではないか、写真と映像は異なるものであるように思えるが本当にそうなのか…etcということについて考えていきます。

写真とは -装置としてのカメラの発展-

 ニュースの記事を見ると芸能人やスポーツ選手の写真、本の表紙には著者の顔写真、化粧品のパッケージには芸能人の顔写真…。私たちの普段の生活は、無意識下に数多の写真に出会っています。「消費される対象」としての写真は、果たしてその起源はどこにあるのでしょうか?
 諸説ありますが、世界最古の写真は1827年にフランスの発明家ニセフォール・ニエプス(Joseph Nicéphore Niépce)によって撮影された『ル・グラの窓からの眺め』(Le Point de vue du Gras)とされています。

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 ブルゴーニュ・ソーヌ=エ=ロワール県のサン=ルー=ド=ヴァレンヌに位置された彼の邸宅から、このメモリアルな作品は創られました。
 ところで、写真の歴史だけではなく「装置」としてのカメラの歴史はどのようなものだったのでしょうか。
 カメラの発展の歴史は、光学の発展の歴史でもあります。古くは紀元前、アリストテレスや墨子などといった思想家達の記述にも登場し、以前の記事でもご紹介した一眼レフカメラの構造にも使われている光の屈折現象を発見したのは紀元前300年の古代ギリシアで活躍した数学者・物理学者のエウクレイデス(英:ユークリッド)(Εὐκλείδης, Euclid)でした。この発見はカメラだけでは無く、顕微鏡やメガネなど様々な機器の開発に大きく寄与しました。そして、11世紀頃に光の屈折や反射の原理を数多く発見したイブン・アル=ハイサムもカメラの歴史における最重要人物の1人です。彼の光についての研究は「光学の書」という書物に纏められ、その後の光学の発展に大きく寄与することになりました。
 そして、現代カメラの前型とも言える「カメラ・オブスクラ(camera obscura)」は15世紀頃に発明され、19世紀に上で記載したような現代カメラが発明されることになりました。
 写真とは?という問いに対しては、昨今の技術革新による合成や修正の多様性に関しても考えなくてはなりません。私個人の「写真」そのものに対する考えは「写真とは真実を写すものであるから、過度な合成や修正は好まない」という立場です(勿論、クライアントから要望があればPhotoshopで合成や修正もしますが、写真表現としては…という意味です)。昭和を代表する写真家である土門拳氏や木村伊兵衛氏、海外で言えばジャコメッリ氏などもそうなのかもしれません。
 写真とは、ロラン・バルト氏がその著書『明るい部屋』で述べているように「それがかつて、そこに確実にあった」という事実性を担保することに寄与し、光の粒子が集まった1枚の絵から物語性を述べるだけでなく現実を写し出す鏡、だと言えることが出来ると思います。

動画・映像とは

 動画の歴史は映画から始まります。以前の記事でも書きましたが、映画の歴史は19世紀まで遡ることが出来ます。かの有名な発明王エジソンが1889年に映画撮影機のキネトグラフ、さらに映画を観る為のキネトスコープを発明しました。映画は発明当時、箱を覗き込むような形で観ており、現在のように大人数で観る、というものではありませんでした。
 さて、では「動画」と「映像」は一体何が違うのでしょうか?
 漢字の意味から推測するに、
 動画:動く画
 映像:像を映す
 というように思えますが、果たしてどうなのでしょうか?
 ミレニアル世代向けの動画配信を行なっているONE MEDIA代表の明石ガクト氏はその著書『動画2.0 VISUAL STORY-TELLING』の中で『動画と映像の違いは、時間軸が異なるという点。「動画」には時間軸に対する圧倒的な「情報の凝縮」があることだ。』と結論づけています。そして、情報の凝縮の尺度を、Informaition Per Time = IPT として、
 動画:IPTが高い
 映像:IPTが低い
 と定義しています。
 つまり、動画の方が情報濃密度が高い、ということになります。
 また、言葉の意味から「動画」と「映像」の違いを考えてみたいと思います。goo国語辞書によると、
 動画:少しずつ変化させた一つながりの画像。
 映像:光線の屈折または反射によって作られた像。
    心の中に一つのまとまった姿として描き出された像。心象。イメージ。
という意味です。上に記載しております写真の歴史に関する中でも触れましたが、レンズを通してカメラで記録をしたものを「映像」、それに含まれず(アニメーションなど)複数の画像を連続させて表現した一繋がりの流れを「動画」と指すことが出来ます。また、「映像」という言葉に関しては、連なった画像という意味では無く、「光線の屈折または反射によって作られた像」という意味を持つということから、広義の意味では「写真」もその一部に含まれると考えることが出来ます。簡単に言うと、「映像」は実写(動画・写真)のもの・「動画」はアニメーションも含む動く画像全般、と考えられます。

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今回の記事はここまでです!
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参考資料
goo国語辞書
明石ガクト著『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』幻冬舎、2018年
キヤノンサイエンスラボ・キッズ『カメラの歴史をみてみよう』(https://global.canon/ja/technology/kids/mystery/m_03_01.html 最終閲覧日:2021年06月29日閲覧)
NHK 『「写真に求められる『哲学』」(視点・論点)』 (https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/441561.html 最終閲覧日:2021年06月29日閲覧)
電通報『日本の動画年表』(https://dentsu-ho.com/articles/4976 最終閲覧日:2021年06月29日閲覧)

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