地獄の釜違い


雷獣のベテランちさんが記載した「もたらされる地獄の複数」を読んだ。

彼が意図していたこととは違う受け取り方かもしれないが私なりの感想である。


-------------------------------キリトリ----------------------------------

私が育った家庭環境と真反対であった。

自分の家庭はとにかく経済的に余裕がない。
その理由は両親の離婚から始まったが、養育費というものの存在をきっと知らないのだろう。
一度も振り込まれず、生活は困窮を極めていった。

一見人が住んでるとは思えない家の外観。

台風が来れば震度3くらいには揺れる。

外と家の中が同じ気温になる。

1℃の中でパジャマから制服に着替える。

自分の苗字が刺繍された体操服が欲しかった。

家の前が通学路であったが故に、周囲の様子を見てから外に出た。
思春期真っ只中の私には恥ずかしさしかなかった。

学費もないため、自力で払える範囲のところを目指し、現在も借金を払い続けている。
塾は人生で一度も行ったことがない。

ただ母は勉強しなさいや理不尽な態度・行動をとってこなかった。
頭の良かった兄と比較もされなかった。

それは彼からすると天国のような環境になるのだろう。


人間が職場に給料と人間関係を求めるように、家庭環境も経済環境と両親の価値観が対をなしていると思う。


自分の地獄を見せびらかし、相手の地獄に寄り添わないのも違う。
人それぞれ地獄は違う。

「お前が羨ましいよ」「恵まれた環境だな」
などの言葉は時に鋭い刃になると改めて思った。

大人になって自立した今は当時の地獄からは抜け出せた。

その分、別の地獄が待ち受けていた。

人間は複数の地獄の釜を出たり入ったりしている。


全部を理解することはできないし、それは人それぞれの価値観があるからであって理解しないといけないわけではない。

ただ理解はできなくても、受け止められる心の広さを持ちたいし、受け止めてもらえる誰かに巡り合って欲しいと思った。



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