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【12,000字越え!】ANSHINDOオープニングイベント「ローカルキャリアサミット」特大レポート!【これを読めば分かる!】

こんにちは!
EFCインターンの大平落央樹(おでらおとしおうき)です!
今回は、先月上川町で開催された「ローカルキャリアサミット」のレポート記事を書かせていただくことになりました。

6月22日土曜日、北海道上川町に「まちを照らし、つなぐ灯台」をコンセプトにした泊まれる複合施設ANSHINDOがオープンしました。

オープニングセレモニーには、上川町長西木様、上川町議会議長の濱田様、上川町商工会副会長湯川様にお越しいただき、お祝いの言葉をいただきました。また、町内外からたくさんの方にお集まりいただきました。

左から濱田様、西木様、志水、湯川様
お集まりいただいた皆さんも一緒に

ANSHINDOオープンと合わせて開催されたオープニング記念イベント「ローカルキャリアサミット」は、「ローカルキャリア」を「地域と関わることからはじまる自身の挑戦と成長」と位置付け、ローカルでのキャリアのはじめ方、資金調達やこれからのキャリア形成などについてを、今まさにローカルに入り込んで活動しているみなさんと一緒に考え、一緒に学ぶイベントです。

都市一極集中が進む現代で、東日本大震災や新型コロナウイルスなど社会的な契機と共に注目されてきたローカル。のどかな田園風景や、穏やかで豊かな田舎暮らしのイメージが先走り、都市から見るローカルには憧れのまなざしが向けられることも少なくありません。しかしながら、都市とは違った性質を持つローカルという場で、働き暮らすことはそう簡単なことではありません。都市に人やモノが流れている状態で、どのように人に来てもらうのか、お金を落としてもらうのか、そもそもローカルで働き暮らすことに将来性はあるのだろうか。

そんな悩みや不安を抱えながらも、自分たちが暮らす町の人・自然・文化・生活に惚れ、「この町だから」が理由となって、ローカルで活動する人たちや、これから活動を始めようとしている人たちがいます。
今回、私たちEFCが開催した「ローカルキャリアサミット」が、集まった人たちの目標や悩み、不安を打ち明け合いながら、次の一歩を進めるきっかけとなるイベントであったならば幸いです。

それでは、イベントの内容を振り返っていきましょう!


セッション1
ローカルプロジェクトのはじめ方

最初のトークセッションでは、ANSHINDOプロジェクトのコンセプト設計や事業計画づくり、資金調達など、初期段階から専門家として伴走していただいた、株式会社散歩社小野裕之さんにご登壇していただき、ローカルプロジェクト立ち上げのリアルなお話をしていただきました。

小野さんは、東京下北沢の線路の跡地に新しく立ち上がった商業施設「BONUS TRUCK」の運営や、廃校になった中学校のリニューアルを手がけている方です。今こうして完成したANSHINDOですが、構想当初は代表の絹張・志水も小野さんにたくさん詰められていたようです…(笑)

小野 裕之さん

「『やりたい』っていうところから事業設計が始まっちゃうことが多いですし、協力隊のタイミングでも『何やりたいの?』ってことを聞かれることの方がたぶん多いわけですけど(ローカルで事業をはじめることの)その低くないハードルってうのは、やりたいことだけじゃなくて、『何で食えるか』みたいなことも真面目に取り組んでいかないと、まぁ自分がやりたいこととマーケットがあることの接点探しですよね。やりたいことを追求すると仕事になるという勘違いが蔓延っているんですよね。自分がやりたいっていうよりは、『食える』という領域の中でかっこいいことをするっていうのがいい歳の取り方なのかなと。で、そういうフィードバックを強く求めてちゃいけないとか強く言ってはいけないっていうムードが(社会)全体的にはある」

思っていたよりも小野さんの話はシンプルでした。シンプルでありながら、インパクトのある言葉の数々。現実を目の前に突きつけられているようでした。
やりたいことの中にも食えることを見出す必要があるし、食えることの中でやりたいこと、やりたいことに近いことを見つける必要があります。

また、特に印象に残っているのは「地域を自分の見たいように見ている」というお話。

自分が楽しく働けていない理由をビジネスのせいにしたりとか、人はしょうもないものにしかお金を払わない生き物だ、みたいな風にしてつまんなくしているのは、あなた自身の考え方だよっていう話で。今現存しているビジネスの中にどんな面白さがあるのかっていうのを興味を持って見れば、そこから広がっていくものがありますよね。フラットな目、まっさらな目で地域を見れるなら、いくらでもビジネスチャンスはあるなぁと思いますね。結構地域とかを見たいように見ちゃっていて、多分ここに課題があってとか、ここが面白いとか」

自分の都合にいいように地域を解釈し、自分の「やりたい」を成立させることは、必ずしも「食べていける」ことではありません。普通のことを決して卑下せず、こつこつと行う。そうして基礎となる部分をしっかりつくらないと、その上に何を立てても崩れてしまいます。そのためには、数字に向き合ったり、自分好みの仕事だけじゃなく、実際にお金が回っている仕事をどうかっこよくできるか、のマインドが必要だったりします。

ローカルのキラキラしたものに憧れるほど、自分で事業を立ち上げることがすごいことで、美しく高尚なビジネスであると勘違いしてしまいます。でも実際は、地域で長く続いている飲食店の方がビジネスとしてより強く、将来性を秘めているかもしれないのです。

小野さんの言っていることは考えると当然なことかもしれません。言葉にされると当然なことも、言葉にされないと気付かない。そこで当然のことだからと、拒絶することなく、1つ1つ受け入れていくことが自分の成長に繋がります。
「当たり前」に向き合うことは自分の弱さに向き合うことかもしれません。小野さんはその弱さ1つ1つに正面から向き合ってきたからこそ、その言葉に力強さが備わっているのだと思います。

最後の質疑応答の中で出てきた「悩んでいる方が健全。自分の人生に注意が向いているからこそ同じことを何回も考えてしまう」「人生はさなぎのフェーズと蝶のフェーズを繰り返している」という言葉。「悩み」には少なからず焦燥感がまとわりついてきます。この先の選択を悩んでいる身としては、少し心が軽くなる言葉でした。悩んでいることに前向きになり、一歩ずつ進んでいきたいと思います。

セッション2
地域おこし協力隊から始めるローカルキャリア!

2つ目のセッションは、地域おこし協力隊を卒業後、地域で事業を立ち上げた方に登壇していただき、ローカルで事業をはじめる際の地域おこし協力隊のあれこれをお話いただきました。

最初は、上川町地域おこし協力隊の曙玲奈さんにご登壇いただき、上川町の地域おこし協力隊「KAMIKAWORK PROJECT」の活用事例について説明していただきました。

曙 玲奈さん

その後、元上川町地域おこし協力隊で、合同会社たけっちょラボを創業した松井丈夫さん、元士別市地域おこし協力隊でエストアール代表の石川陽介さん、元栗山町地域おこし協力隊でおやさい伝道師の土屋綺香さんにご登壇いただき、それぞれの活動を振り返りながら、地域おこし協力隊から始まるローカルキャリアについてお話いただきました。

松井 丈夫さん

「結果残すためにイベントやったりとかできて、それが言い方選ばないでいうと、成功したりしなかったりとかあっても安定した給料は入ってきますよね。そういったところで『いい意味で』失敗はできるかなってのはありますね」

石川 陽介さん

「協力隊同士のネットワーク、当時は北北海道協力隊ネットワークっていう、そういったところでも情報交換とかしながらっていうのがあって、協力隊の横の関係もすごくいいかなと思います

土屋 綺香さん

「私今、協力隊で入ったからできた人間関係でお仕事させていただいてるっていう繋がりがあって、やっぱり地方に入るときって新しい人がポンって都会から入ってくると、『お前何しに来た』『お前誰だ』っていうことになっちゃうんですけど、『協力隊です』ってことで、協力隊を盾に色んなところに顔を出したりとか、『協力隊だからね』っていう、その色眼鏡を通して見てもらえるので、協力隊っていうフィルターを通してコミュニケーションができるっていうのは、すごい有利に働くかなとは思いました

地域おこし協力隊は行政の制度である以上、少なからず制約があったり、地方自治体によって活動の幅や内容が大きく変わってきます。それでもやはりローカル特有のコミュニティなど、個人の力では対応が難しいローカルの特殊性に対して、その障壁を超える一助となっているのは間違いないようです。さらにある種のベーシックインカム的に一定の収入が保証されている制度なので、個人で挑戦する際の悩みの種になるお金やコミュニティの問題をクリアした状態で、卒業後の進路に向けて様々なことに挑戦できる環境が用意されています。

しかしながら、それはただ環境が用意されているだけであって、協力隊を卒業後のキャリアを実現できるかどうかは、最終的には個人の行動次第。

松井さん「3年のゴールが明白なので、そこでゴールを設定して、(その3年間を)どうやってやっていこうかっていうのは、やっぱり考えなきゃいけないかなって思います。あっという間の3年間になってしまうので」

土屋さん:「自分がイベントなどの主催者になった経験が(卒業後)すごい活きてるなと思っていて、私は道内出身じゃないので知り合いゼロの状態かはじめて、『まず友達100人創るぞ1年目』、ぐらいに思ってたんですよね。主催することで顔を覚えてもらう。私がこれやりたいからやります、じゃあ参加したい人してください、っていう手の挙げ方をすると、より人の繋がりが増えて、協力隊が終わった後も仕事とか生活で豊かになる、支えになるような人脈ができたかな、という風に思ってます。」

自分自身で3年間のプランを明確に持っておくことや、協力隊という制度やネームバリューを利用して、イベントを主催してみるなど、自ら考え行動することが、その3年間を充実させ、卒業後のキャリア形成にも役立つ重要なポイントになっているようです。協力隊という環境に甘えることなく、自ら積極的に機会や出会いを掴みに行ったからこそ、3名の卒業生は、それぞれのローカルでのキャリアをスタートさせることができたのではないでしょうか。

最後の質疑応答でも「地域おこし協力隊というネームを使うだけで、地域からの見られ方が違ったりとか、自分のフィールドじゃないところに一歩入りやすくなる、すごい良いバッジだなって思っていて…」というコメントがあったように、「地域おこし協力隊」という肩書があることで、地域の人の不安を取り除き、コミュニティに入り込むことが容易になったり、その結果卒業後の仕事仲間になったりします。しかし、そうしたメリットの背景には、先輩協力隊が築いた関係性があると話します。先輩の協力隊が地域住民といい関係性を作り上げたからこそ、「地域おこし協力隊」が良いネームプレートとして効果を発揮します。これまでじっくり紡がれてきたものを、次へと繋いでいくことも、地域おこし協力隊がこの先も活躍するために必要なことかもしれません。

セッション3
お金と思いがめぐるローカルクラファン

3つ目のセッションは、日本最大規模のクラウドファンディングを展開している株式会社CAMPFIREの畑幹人さん、ANSHINDOプロジェクトのクラウドファンディングをサポートしていただいた、一般社団法人ドット道東代表理事の中西拓郎さんをお招きし、ローカルでのクラウドファンディングにおいて重要な考え方などについて、お話いただきました。

サービスを提供している畑さん、サービスを利用したEFC志水、そのサポートをした中西さんと、3者の立場や持っている視点が異なるお話をしていただき、クラウドファンディングの理想と現実を知ることができました。

印象的だったのは、クラファンがただお金を集めるだけのサービスではない、というお話。

畑 幹人さん

畑さん:「絶対辞めた方がいいですっていうケースがあって、クラファンやったらお金集まるし、SNSでバズるっしょっていう人。めっちゃいるんですよ。10人中9人そんな感じです。『誰が支援してくれるんですか?』って聞くと、『SNS見た人が支援するんですよ』って。『本当ですか?じゃああなたのご家族とか買ってくれますか?』ってところで話止まっちゃう、みたいな。どういう人に応援してもらえるのかってところは重要なポイントかなっていう風に思います

中西 拓郎さん

中西さん:「僕もお金だけ欲しいんだったら絶対辞めた方がいいっていつも言いますね。それなら絶対借入した方がいいって。その方が手っ取り早いですよって。(クラファンは)めちゃくちゃめんどくさいので。想像してみてください『よくわからないフォローしてない人がたまたまタイムラインに運よく流れてきたとして、わざわざクリックして支援しますか?』『例えばCAMPFIREさんのHP見にいって、どれ支援しようかなって言ってる人なんて極少数ですよね?』って話ですよね。それよりも、友達がプロジェクトをはじめたとかだったらノールックで支援するじゃないですか

クラファンは不特定多数に向けたサービスではなく、自分の身近にいる人に向けたもの、ということは新たな視点でした。大きな規模のサービスではありますが、その始まりは必ず自分の近くにいる人で、その輪が広がってやっと不特定多数の人に届くというプロセスを認識した上でプロジェクト内容やリターンの内容を考える必要があります。
クラファンは時間も手間もかかるし、めんどくさい。クラファンを最後までやり遂げるには、自分たちのプロジェクトをみんなに知ってもらいたい、みんなで作り上げたい、そういった思いが必要で、それに加えてどうしたら支援してくれた人が喜んでくれるのか、1人1人家族や友達など身近な人の顔を思い浮かべてリターンを設定する。精神論的かもしれないけど、そんな細かい心配りや思いが大切なのでしょう。

ANSHINDOプロジェクトは皆様のご支援もあり、地域おこし協力隊クラウドファンディングアワード2023 空き家活用部門賞」&「CAMPFIREクラウドファンディングアワード2023 地域のみんなを喜ばせたで賞」をW受賞することができました。「みんなでつくるANSHINDO」を掲げて作ってきたANSHINDO。クラファンを通じて、壁塗りワークショップを実施したり、実際に現地に来ることが難しい方も支援していただいたり、まさしく「みんなでつくる」ことができたのではないでしょうか。

距離的な問題で現地で一緒に作業することが難しかったり、それぞれの生活があって、なかなか現地に来ることができなかったり、そんな状況でも「支援したい」「一緒につくりたい」という思いを持っている方がいるかもしれません。その思いをお金に乗せて、色をつけて、届けることができる。そうして集まったお金を使って、地域のため、人のため、そして未来のための事業を進める。それがクラウドファンディングのあり方なのだろうと考えさせられるトークセッションでした。

セッション4
チャレンジ発表会

チャレンジ発表会は、1人5分の持ち時間で、今まさにローカルで取り組んでいる事業やこれから取り組みたいと思っている事業を発表し、みんなに知ってもらい、仲間を集める企画です。

発表者は、エストアール代表石川陽介さん、里山部代表清水省吾さん、そしてEFCインターンの私、大平落央樹です。

石川 陽介さん

エストアール代表石川さんは、「おてつたび」や浦幌町の「つつうらうら」のように、士別で旅をしながら働くことができ、暮らしに触れることができるプラットフォーム事業と、その運営を一緒にしてくれるインターン生募集のお話をしていただきました。

その中で石川さんの思い描く士別市のこの先をお話いただきました。

「公私ともにチャレンジを楽しむ人、応援する人が増えて、人々が活発で前向きな町になったらいいな、という思いで今回この事業をやっていきたいなと思っています。」

北海道のローカルが置かれている状況はどの地域も大きくは変わらないでしょう。
だからこそ、道東・道北と地域を越えた繋がり、さらには北海道全体で繋がりを持ち、お互いに行き来し合い、励まし合い、助け合うことで、それぞれの地域の生活が少しずつ楽しくなるのではないでしょうか。

清水 省吾さん

里山部代表の清水さんは、放置林に注目して、森づくりの過程に価値を見出し、「伐らない木こり」として活動しています。
これまで当たり前とされていた、木を伐ってお金にする林業ではなく、「みんなでやる」新しい林業のあり方をお話していただきました。

「すごく大事なのは絶対に子どもたちを置いてっちゃいけないってこと。これは地元に残る子どもたちがいないと、地元の景観、ふるさとを語れる人がいないと、地元ってやっぱり廃れていきます。だから子どもたちから大人までみんなでわいわいやるっていうのが大事。」

特に清水さんは子どもを巻きこむことの重要性を強調されていました。
少子化が叫ばれる中で、自分たちが大切だと思うこと、子どもたちが大切だと思うことを上手に伝えて、残していくことが子どもたちのちょっと豊かな生活に繋がるのではないかと思いました。

EFCインターン 大平落央樹

私は、具体的に取り組んでいる事業や、これから取り組んでいきたいことがあるわけではなかったので、自分が今EFCでインターンをしている理由やインターンを通しての気付きと、自分が抱えているモヤモヤについてお話しました。
たった5分の発表でしたが、自分と向き合って、自分が今何を思っているのか、来てくださった方々に何を伝えたいのか、何日も考えました。

私がローカルに対して感じているハードルは、「高い志やビジョンを求められる」ことです。個の力が必要とされている現代において、具体的なビジョンを持っていることはその人の武器であることは間違いないと思っていますが、ローカルでは都市部よりもより具体的なもの、より強い志を求められる傾向があると感じています。ローカルという環境である以上、当然なことであることは承知しながらも、決めきれない自分の弱さにモヤモヤしていました

当日の発表は必ずしもよくできた発表ではなかったと思います。それでも交流会で、「発表よかったよ」「自分も共感した」と声をかけていただき、少しではあれど自分の思いを伝えることができ、嬉しく思いました。

ローカルでキャリアを積むことの魅力と不安。自ら情報を取りにいかないと見えてこないローカル。周囲とは違う選択。みんないろいろな気持ちと同居しながら生活していることを知りました。そんな悩みをただ語り合う、良い夜でした。道内外各地から同じ志をもった人たちが集まっているイベントで発表するという、貴重な機会をいただき感謝の気持ちでいっぱいです。

セッション5
ローカルキャリアのその先

最後のトークセッションは、株式会社EFCの社外取締役に就任した株式会社Huuuu代表取締役の徳谷柿次郎さんと、最初のセッションにも登壇いただいた株式会社散歩社の小野裕之さんをお招きし、今なお不安定な要素を含むローカルにおいて、これからのローカルをどう捉え、行動していくのかについてお話いただきました。

このトークセッションのトークテーマ「都市一極集中の社会だからこそのローカルの限界と可能性」は大平落が考えました。
ローカルには少子高齢化や人口流出、空き家問題など、「衰退」という言葉で表される課題があります。一方で都市とは違う環境が価値として注目されている、という一面も持ち合わせています。
今ローカルで事業を展開している人は、ローカルのどこに可能性を感じ、どこに限界を感じているのか、総じてローカルをどう捉えているのか。

徳谷 柿次郎さん

柿次郎さん:「(都市とローカルが)両方の矢印がいい感じに向いているから、行き来するのがいいんじゃないっていう。軸足をどっちに置くかを選べるやん。だから自分の経済圏と想像力をどんだけ広く持つかみたいなところは、ローカルだからとか東京とか関係なく、欲しかったら会いに行けばいいし、掴みにいけばいいっていうシンプルなところでもあると思います」

小野さん:「キャリアの成功というものがサラリーマンとして成功するみたいなことの拡大解釈でしかなかったところから、かなり選択肢が広がって、もう選んじゃえばいいじゃんみたいなことになっているので、この質問(トークテーマ)自体が溶けてなくなりかけているというか、ローカルとか都市とか実力があったら関係ないよっていうこと。自分の実力や成果の出し方によって選べばいい問題になっているので。 営業機会の拡大があって、移住した方が仕事が増えたみたなタイプの仕事も絶対あると思うので、ローカルに入ったときのデメリットをあんまり考える必要がなくなってるのかもしれないですよね

自分は都市とローカルを二分して考えすぎていたのかもしれません。
ここ数年で情報通信技術の発達や、移動の高速化が進み、都市とローカルの境界が曖昧になっています。都市だからできる、ローカルだからできないがどんどんなくなってきて、個人の持つ能力やエネルギーでできるかできないかが決まる社会になっていて、さらには、土地のポテンシャルをどう見るか、ローカルをどう捉えるかが、個人に委ねられる社会になっています。

今の自分は、都市 / ローカルと分けて考えるのではなく、どっちにも立って、「どっちに軸足を置くのか」を考える必要がありそうです。
「行き来すればいい」という言葉通り、お互いに補い合うことで生活の幅をより広げることができるのかもしれません。その上で、何を重視して軸足を決めるのか、その価値判断の基準が先の人生での分岐点で必要になります。これまで漠然と考えてきた、都市とローカルの二項対立への靄が少し晴れて、今考えなければならないことに焦点が合ってきたように思います。

ローカルでキャリアを積むことは間違いなく難しいことです。だからこそ個の力が必要とされています。だからといって、都市部でキャリアを積むことに個の力が必要ないわけではありません。都市でもローカルでも、自分が理想としていることを実現するためには、それ相応の経験と努力、自己犠牲を払っていかないといけません。その点では、ローカルだから、都市だからといった区分はなく、その個人に目が向けられています。

柿次郎さんも小野さんもマッチョ。スーパーマッチョ。
普通なら目を背けたくなるような現実を次々と突きつけてくる。
これまで当然のことを当然だからと驕らず、取り組んで積み上げてきたことが伺えます。
気付いていないふりをしていた現実を、当然なこととして言葉にされました。

ローカルという場所に夢を見たり、ローカルという場所を言い訳にして、できることとできないことを分けて考えていました。今の自分に必要なことはこの先のローカルがどうとかいうよりも、自分がこの先のローカルをどう捉えるかを考えることで、もっと足元を見る必要がある。
自分も「筋トレ」をがんばるしかない…!

自分の未熟さを痛感しながら、心が律するお話でした。

ANSHINDOオープニングパーティー

ローカルキャリアサミットには道内外各地から、たくさんの方々に参加していただきました。交流会にもたくさんの方々にご参加いただき、なかにしりくさんのスペシャルライブや、お楽しみ抽選会など盛り上がりを見せました。
今まさにローカルで事業を動かし活躍している方から、大学生、ANSHINDOプロジェクトに関わった地元の業者さんやオープンを心待ちにしてくれていた町民の方々まで、本当に幅広い方が混じり合い、各所で熱い会話が繰り広げられていました。

なかにしりくさん
お楽しみ抽選会の様子

これから何があるかも分からないし、社会がどうなっていくのかも分からない。
キャリアの選択にはリスクと不安が入り混じる。

でもキャリアに終わりはないし、正解もない。
自分なりの正解を探すというよりも、自分の選択を正解にしていく。
それがキャリアなのかもしれない。
と、ローカルキャリアサミットを振り返りながら考えています。

ローカルを諦めず「ここだからできる」を作っていく

今やローカルと都市の境界が溶けて、混じるようになってきました。

人によってその場所の見方が違うし、その場所のあり方も違います。
できない言い訳に「東京だから」「ローカルだから」と場所を使っている間は、人としての成長がないと思います。ローカルでできない人は都市でもできないし、その逆も然り。
人間はどうしてもできない理由を環境に作ってしまいがちな生き物。その中で自分自身に向き合って、自分自身に理由を探してきたからこそ柿次郎さんや小野さんのような言葉が生まれているのでしょう。

これはつまり、ローカルに将来性を作るのは自分次第、ということになります。
ポジティブに捉えると、ローカルを諦める必要はないということです。
ローカルは人がそれなりの温度感を持って、人間味のある繋がりの中で生活しているように思います。地域おこし協力隊は先輩が築いてきたものを後輩に受け継いでいく繋がり。クラファンは支援したいと思う人が、場所や時間にとらわれず思いを乗せたお金を介して生まれる繋がり。
これらの繋がりがローカルのこれからを作っていくのだと思います。そうした繋がりを自分が作っていくのか、紡いでいくのか、どんな形であれ携わることで、ローカルに可能性を生み出し「ここだからできる」と思える暮らしや地域を作っていくことができるのではないでしょうか

今回のイベントでは今の自分にとって大切な言葉をたくさん聞くことができましたし、次に自分が考えなければならないこと、ローカルに対する新しい価値観を知ることができました。1つ1つの言葉を嚙みしめつつ、少しづつ自分の中で消化しながら次の一歩を踏み出そうと思います。

最後になりますが、ご登壇いただいた皆様、イベントにご参加いただいた皆様、配信をご覧いただいた皆様、本当にありがとうございました!

最後に改めてANSHINDOの紹介!

2024年6月22日にオープンした「まちを照らし、つなぐ灯台」がコンセプトの泊まれる複合施設「ANSHINDO」についてご紹介します!

ANSHINDOができるまでの物語はこちらのマガジンをご覧ください👇

1F:SHOP / Cafe&BAR

1階は上川町や周辺の地域で作られている、暮らしをちょっと豊かにするものを取り揃えたギフトショップと、昼はカフェ、夜はBARが併設されています。

1階全体
Cafe&BARカウンター
ギフトショップ

【朝食】

〈すこやか朝ごはん〉
曜日:火曜日・水曜日
時間:7:30-11:00
内容
・自家製しょうゆ麹のたまごかけごはん
・お味噌汁
・小鉢2つ
・KAMIKAWAKITCHENヨーグルト~上川町産はちみつがけ~
・食後のほうじ茶

Begel&Herb tea  hibi
曜日:月・木・金・土・日
時間:7:30-14:00(ベーグルは21:30まで購入いただけます)

モーニングプレート
オリジナルブレンドハーブティー

2F:MICRO HOTEL

2階部分はマイクロホテルになっており、合計4部屋、最大10名が宿泊可能となっております。
ご宿泊いただくと、ウェルカムドリンクとして1階のBARで700円以下のドリンク1杯無料サービス&滞在中3階のコワーキングスペースが無料で使い放題となっております。

〈ダブルルーム〉(定員1~2名):1部屋

〈ツインルーム〉(定員1~2名):2部屋

〈ファミリールーム〉(定員1~4名):1部屋

【設備】

〈各部屋〉
・デスク
・エアコン
・枕元にライト、コンセント

〈アメニティ〉
バスタオル(Kontex one-size towel)、オリジナルフェイスタオル、[miyo organic] のこだわりアメニティ(竹歯ブラシ、歯磨きペーパー、コットン&竹綿棒セット)
*バスタオル以外はお持ち帰りいただけます。

〈共有スペース〉

・キッチン
キッチンには、冷蔵庫・電子レンジ・トースター・炊飯器・電気ポット・各種調味料・基本的な調理器具がございます。テイクアウトしたごはんを楽しんだり、地元食材を集めて料理を楽しんだりしてご利用ください。

・洗濯機 / 乾燥器
24時間、無料でご利用いただけます。

・洗面台

・トイレ
男性用、女性用の2つございます。

・バスルーム / シャワールーム
シャンプー、リンス、ボディーソープ完備

3F:SHARE OFFICE

3階には会員限定のシェアオフィスと会議室2部屋がございます。
会議室は会員以外の方でも利用可能です(有料・要予約)。

シェアオフィス
MEETING ROOM 301
MEETING ROOM 302

【各種料金表】

シェアオフィス料金表
会議室レンタル料金表

【ACCESS】

Address:〒078-1753 北海道上川郡上川町南町1033-2

〈鉄道でお越しの方〉
札幌駅から上川駅…約2時間5分 (特急)
旭川駅から上川駅…約45分 (特急)

〈バスでお越しの方〉
道北バス【上川・層雲峡線】利用
旭川駅前から上川駅前…約1時間15分

〈上川駅から〉
駅を出て正面にある「あかしさん」と「マツナガ薬局さん」の間の道を進む。

右に曲がって進む。「大雪堂さん」の角を左に曲がる。

右手に見える建物がANSHINDOです。

予約フォーム

ご宿泊のご予約はこちらから!
https://beds24.com/booking2.php?propid=227307

イベント司会:satoko omizu
イベント写真:reina akebono
イベント配信:seisyu watanabe
館内写真:keita inaba
hibi 写真:ezomaru kinubari
ライター:oki oderaotoshi

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