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濱松の歳時記 6月


  指先の光る蛍のむず痒く
衣替え
  衣替え朝の電車の明るさよ
鮎解禁
  鮎解禁去年迄友や川に向き
虫歯予防デー
  がらすきの虫歯予防デーの歯医者
厄病除け
  無花果の葉厄病除けの線香よ
芒種
  音もなく水流れ込み芒種かな
時鳥
  電線やぐらぐら揺れて時鳥
田植え
  女だけ田植えは進む声進む
閑古鳥
  閑古鳥姿見せずに尾瀬の道
時の記念日
  店巡り時の記念日の賑わい
梅雨
  流れゆく色無き窓の梅雨景色
農繁期
  あの家も見知らぬ人が農繁期
油虫
  絶えないと言われど何処油虫
花菖蒲
  花菖蒲去年植えし株今年咲き
紫陽花祭り
  山寺の紫陽花祭り人の波
青梅
  音止んで青梅籠へ集めけり
辣韭漬け
  針で刺し辣韭漬けの味見かな
村芝居
  声枯れて隣の兄さ村芝居
杜鵑花
  夢描き杜鵑花の枝の巻き具合
サナブリ
  早苗饗や酒の匂いに酔わされて
夏至
  雲の影川面に映し夏至の夜
おたき上げ供養
  おたき上げ供養の供え筆箱ぞ
松尾神社祭礼
  水かけて松尾神社の祭の夜
夏暖簾
  藍染やぼろ家に飾り夏暖簾 
福紗人形
  農休み福紗人形繰るを待つ
六月尽
  良く見えて手術の証六月尽
村芝居
  あがる声「阿波の鳴門」の村芝
ほおずき
  糸籠のほおずきの色ルビーてふ
夏越しの祓
  氏子出で夏越しの祓準備して
茅の輪くぐり
  母の手の茅の輪くぐりの温さかな

#俳句 #note俳句部 #濱松の歳時記

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